マイクロソフトは2006年6月20日、ハードウエア技術者を対象にしたイベント「WinHEC 2006 Tokyo」を開催した。基調講演では「Windows Sideshow」や「Windows Rally」など、Windows Vistaに関連した最新のデモを披露した。ただ、そのほとんどは、2006年5月にシアトル(米国)で開催された「WinHEC 2006」で既に発表済みのもの。新規の情報としては、国内のハードウエアメーカー各社によるWindows Vistaの対応表明程度にとどまった。
基調講演に登壇したのは、米マイクロソフトでWindowsハードウェアプラットフォームエバンジェリズムのゼネラルマネージャを務める、マーシャル・ブルーマ氏。Windows Vistaはビジネス、モバイル、コンシューマーの各分野において有用だと話し、主要機能を簡単に紹介した。
例えばビジネス分野では、TPM(Trusted Platform Module)チップと連携してハードディスクのデータを暗号化する「BitLocker」や、USB接続のフラッシュメモリーを仮想メモリーのキャッシュとして利用する「Windows Ready Boost」などに言及した。
マイクロソフトが披露したデモは、モバイルやコンシューマーの分野。小型のディスプレイに情報を表示するWindows Sideshowや、無線LANへの接続設定を簡易化するWindows Rallyを実機を操作しながら説明した。例えばWindows Sideshowでは、小型ディスプレイを備えたキーボードに天気予報を表示させてみせた。
Windows Rallyのデモでは、次期「Windows Connect Now」を紹介。Wi-Fiアライアンスが策定した「Simple Config」という仕様に基づいており、ユーザーは無線LANのアクセスポイントに割り当てられた「PINコード」と呼ばれるID番号を入力するだけで、無線LANへの接続が完了する。
コンシューマー分野では、デジタルエンタテインメント関連のデモも披露された。ハイビジョン映像に対応する「Windows Movie Maker」、HD DVDの再生、操作性を改良した「Media Center」、Xboxと連携してパソコン内のコンテンツをテレビに表示するといった機能である。同時に、プリンター、デジタルカメラ、入力機器、液晶ディスプレイなどのハードウエアメーカー29社がWindows Vista対応製品を開発中と発表した。
Windows Vistaは、2006年11月に企業向けの提供を開始し、コンシューマー向けパッケージの発売は2007年1月となる見込み。「このスケジュールに向けて順調に進んでいる」(Windows本部のジェイ・ジェイミソン本部長)という。