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 産官学が共同で検索関連の技術とソフトを開発する「情報大航海プロジェクト・コンソーシアム」が7月に発足する。6月16日に開催した発起人会で発表した(写真)。

 発起人には、NTT、NTTレゾナント、NEC、日立製作所、富士通、シャープなど検索関連技術に取り組んできた国産メーカーの役員が名を連ねる。また、検索関連技術の研究を進めている東京大学や早稲田大学などからも加わった。参加団体は6月16日時点で38団体で、正式発足後に広く募集する。

 コンソーシアムの設立は経済産業省の呼びかけによるもの。米グーグルが検索エンジンで先行し日本で席巻している現状に対し、「このままではマイクロソフトにOS市場を独占されたことの繰り返しになる」(経産省)という危機感がある。

 一方で「日本には検索関連技術を研究してきた企業や大学が多くあり、特に映像データや音声データでは優れた技術を持っている。まだ情報検索の技術は進むので、それらを集結すればこれからでもグーグルに勝てる」(経産省)と見込んでいる。

 コンソーシアムでは、映像データや音声データを含めた汎用的に使える検索関連の基盤技術とソフト、超高速処理のコンピューティング・システムを開発する。さらに、その基盤の上に特定分野ごとに必要なミドルウエアも開発する。それをオープンソース化し、共同で使えるようにする。基盤技術を共同で利用し、企業はその上のアプリケーション開発で競う、といった構想を描いている。

 経産省では、コンソーシアムの活動に数十億円規模の予算を確保すると見られる。フランスでも国家プロジェクトとして検索エンジンの開発を進めており、2年で約400億円を割り当てているという。日本では来年度から開発を開始して「3年以内には結果を出したい」(経産省)と述べる。