日本ヒューレット・パッカードは,自社開発の冷却ファンを搭載することで従来機と比べて30%容積を減らしたブレード・サーバー「HP BladeSystem c-Class」を2006年8月上旬から順次出荷する。
BladeSystem c-Classは,現行版の「同p-Class」と比べてサーバー機1台あたりの容積を30%削減するとともに,ネットワーク接続とストレージ接続を抽象化・仮想化することで運用管理を容易にした。容積は,p-Classが高さ7Uに最大8台のサーバー機を搭載するのに対して,c-Classは高さ10Uに最大16台を搭載するというもの。運用管理では,MACアドレスやWWN(World Wide Name)のマッピング機能を備え,個々のサーバー機の物理設定を隠ぺいする。
エンクロージャの背面には,米Cisco Systems製スイッチ機器や米Brocade Communications Systems製SANスイッチ機器を収容可能である。エンクロージャとサーバー機の接点はPCI-X経由で伸ばした単純な銅線回路であり,この銅線を経由してEthernetポートなど各種I/Oをエンクロージャ側で集約する。
2006年下半期には,c-Classで利用可能なサーバー間インターコネクト機構のInfiniBandスイッチを出荷する。エンクロージャ内部のサーバー機同士のほか,エンクロージャ間のインターコネクトに利用できる。「ギガビット・イーサネットで済む顧客もいるが,より低遅延,広帯域のInfiniBandが必要な顧客がいる」(日本HP)。
デモでは,容積の削減に貢献した要因の一つである冷却ファンの冷却能力を演じてみせた。1基のファンを最大出力で回転させ,水蒸気のスモークが充満した透明ケースからスモークが減る様子を見せた。スモークで白くなったケース内部の視界は,冷却ファンを接して数秒後にはクリアになった。サーバー機の接続数に応じて,エンクロージャに同ファンを最大10基まで搭載可能である。
価格と出荷時期は,ブレードを収容する高さ10Uの棚「c7000エンクロージャ」が8月上旬出荷で63万円から。ブレード型サーバー機は棚に最大16基搭載可能な「BL460c」が9月上旬出荷で45万1500円,最大8基搭載可能な「BL480c」が9月上旬出荷で67万2000円。