トランスコスモスは2006年6月15日、ランディングページ(広告経由でユーザーが訪れる最初のページ)の効果を高める「ランディングページ最適化分析サービス(Optimost)」を開始すると発表した。米国で実績を挙げている米オプティモストとの提携で提供するサービスで、日本においてトランスコスモスが独占販売権を取得した。
通常、ランディングページの効果測定を行う場合は、1つひとつ試したいページを作成し、複数のページを比較してどちらが効果が高いか測定する「A/Bテスト」が一般的。一方、「ランディングページ最適化分析サービス(Optimost)」は、ロゴ、ボタン、レイアウト、見出し、といったページの各要素をパーツごとに分け、動的に組み合わせて大量のパターンを生成し、効果的なページ構成を見つけ出す。組み合わせによっては100万通りを越えるページが自動生成され、実際のテストに移る際は、最も効果的な結果が得られる実験を抽出する「実験計画法」を用いて40~50通りまで絞り込む。複数の変数間の相互関係を捉える「多変量解析」と「実験計画法」を組み合わせて測定を行うのが特徴。A/Bテストと比べ、「短期間でより多くのバージョンのテストを実施でき、どの構成要素がどういう影響を与えたかといった深い分析が可能になる」(米オプティモスト最高経営責任者のマーク ワキン氏)という。
サービス利用者は自社サーバーにテストしたい画像やテキストなどの要素を置き、各ページに数行のJavaScriptを記入するだけで済む。JavaScriptに含まれる変数のコントロールはトランスコスモス側のサーバーで行う。WebページにはHTML、XML、CSS、JavaScript、Flashなど、どのような要素が入っていてもテスト可能だという。
各バージョンのなかでどの変数がどのくらい効いているかはリアルタイムに閲覧可能。テスト期間終了後は、最もパフォーマンスを発揮したバージョンや効果的な素材、逆に悪影響を与えた素材といった報告書をトランスコスモス側がまとめる。
米オプティモストではテストに使う画像やテキストなどの各要素はユーザー側で準備する体制をとっているが、トランスコスモスは「蓄積したノウハウをもとに、要望があれば別途費用を頂戴する形で、各要素の提供にも対応する」(トランスコスモス、MCMサービス統括デジタルマーケティングサービス第一本部長代理の武智清訓氏)としている。費用は2カ月間のテストで250万円から。トランスコスモスは2006年度に18社、2007年度には30社の導入を目指すとしている。
米オプティモストは2001年に設立されたベンチャー企業。これまで米イーベイ、米アスクジーブス、米タイムワーナーなど130社以上で導入事例を持っている。記者会見において、米オプティモストのワキン氏は「米国には“馬を泉に連れてくるのは簡単だが、水を飲ませるのは難しい”ということわざがある。広告で自社サイトに誘導してきたユーザーをいかに製品の販売や会員登録に結びつけられるか、これが今後重要視されてくる」と語った。