NECとSAPジャパンは6月14日、製品の設計・開発・製造に関する情報を管理するPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)分野で協業すると発表した。具体的には、NECのPLMソフト「Obbligato II(オブリガート・ツー)」とSAPジャパンのERPパッケージ(統合業務パッケージ)「mySAP ERP」を連携させるためのソフトを、NECが開発する。
開発するのは、SAPのミドルウエア群「SAP NetWeaver」上で動作するソフト。Obbligato IIの設計部品表にある部品属性などを自動変換し、mySAP ERPの生産部品表にリアルタイムに展開できるようにする。NECは、原価情報の受け渡し機能の実現も計画している。開発したソフトは第三四半期(10~12月)から出荷する。
これまでNECは、Obbligato IIとmySAP ERPの連携には、個別開発で対応してきた。しかし、データをリアルタイムに反映させることが難しかった。Obbligato IIの部品情報などを一度、別ファイルに保存し、mySAP ERPに取り込ませる仕組みだったからだ。またユーザーがmySAP ERPにおける部品属性の持ち方を変更すると、連携機能も再開発する必要があった。開発する連携ソフトでは、データをリアルタイムに反映できるほか、属性変更にも比較的容易に対応できるようになる。
NECとSAPジャパンの両社は今後、、電気/電子業界を中心とした組み立て製造業をターゲットに、PLMシステムの共同マーケティングを実施する。mySAP ERPにもPLMソフト「mySAP ERP PLM」があるが、国内シェアが高いObbligato IIと連携するほうが得策と判断したようだ。両社は3年間に50社への販売を目指す。