着メロ技術などを開発するフェイスは6月13日、非接触ICカード「Felica」を使って、映像や音楽などのコンテンツ(情報の中身)を任意の端末で視聴するための仕組みを開発したと発表した。

 開発したのは、オンライン販売されているコンテンツの視聴権利を認証するための技術やビジネスモデル。まず、コンテンツの視聴権利をFelica対応の携帯電話から購入。その携帯電話を、パソコンやデジタル家電、ゲーム機などが持つFelicaポートにかざすことで、視聴場所にある端末から再度、視聴権利の認証を受け、再生能力にあったコンテンツを受け取る。端末間での視聴権利の認証にFelicaの技術を利用した。

 利用者を特定しやすい携帯電話に視聴権利を保持することで、権利購入者は端末の種類や設置場所を問わずコンテンツを視聴できる一方、コンテンツ提供者はIDやパスワードの不正利用や違法コピーを防げるとしている。移動中などに携帯電話でコンテンツの予告編を閲覧し、好みのコンテンツがあれば視聴権利をその場で購入。その後に、大画面のパソコンやデジタル・テレビなどがある自宅や友人宅などで高精細画像を楽しむ、といった利用方法などが想定できるという。

 フェイスは今回、この仕組みを、プリペイド型電子マネー「Edy」の運営会社であるビットワレットとインテル、マイクロソフトが共同推進するFelicaの普及推進活動「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」の発表会場でデモンストレーションした。今後は、これをコンテンツ提供者や各種ハード・ベンダーなどに提案していく。同社は、着メロの仕組みを開発し世界21カ国で事業展開するほか、最近はオンライン・ゲームを含むコンテンツ配信や決済分野にも進出している。