シックス・アパートは2006年6月13日、ブログ構築ソフトウエアの最新版「Movable Type（ムーバブル・タイプ） 3.3 日本語版」（以下、MT3.3）を2006年6月27日より出荷すると発表した。
MT3.3の大きな変更点は、エントリー（投稿する記事）にタグ（整理するためのキーワード）を付加できるようになった点。タグを付けることで、同じタグを付与した記事を一覧できるなど、情報を整理しやすくなる。
タグの一覧を表示する「タグクラウド」（右図）も実装。このほか、ユーザから寄せられた要望に細かく応えた。例えば、エントリーなどの投稿欄の大きさを自由に変更できる機能や、エントリーやテンプレートの一覧から個別の投稿を直接表示できるボタンなどを搭載。「リビルド（加えた変更を反映させるための再構築作業）に関する時間もかなり短縮した」（シックス・アパート執行役員の平田大治氏）と言う。
新版の出荷に伴い、シックス・アパートはMTに機能を付加できるプラグインのサポートを強化する。これまでプラグインの一覧は米シックス・アパートのサイト上でのみ提供してきたが、これを日本語版として用意。「日本語版プラグイン・ディレクトリ」（開始日は6月27日を予定）を開設し、人気の高い英語版のプラグインや日本独自に開発されたプラグインを、日本語による機能説明や導入方法などを追加して紹介する。
MT3.3は、日本市場で特に要望の多かったプラグイン「StyleCatcher（スタイルキャッチャー）」の日本語版を同こんする。「StyleCatcher」はブログのデザインを容易に変更できるプラグイン。デザイナーなどが作成したデザインテンプレートが登録されている「スタイルライブラリ」に接続し、気に入ったデザインを選ぶだけでインポートできる。
今回の新版は日米同時に出荷開始する。これまでは、英語版製品から30～45日ほど遅れて日本版が出荷されていたが、同社はエンジニアチームの体制を再編成。開発段階から日本のエンジニアがかかわることで、今後も引き続き同時出荷が可能になるという。「日本市場のユーザーが求める機能改善や機能拡張も、体制の変更により開発優先度が高まった」（シックス・アパート代表取締役の関 信浩氏）としている。
発表会の席上、シックス・アパートの関代表取締役は今後のブログの展望について、「1990年代に個人ホームページから企業ホームページ、そしてイントラネット、Eコマース（BtoC）、企業間EC（BtoB）と発展を遂げたのと同様の流れでブログも進化していく」と言及。個人から始まり、企業、そして企業内イントラにまで活用が広がっているブログが、今後さらにECブログ（BtoC）や企業間ブログ（BtoB）にまで発展していくとの考えを示し、時代に合った製品を開発・出荷していくとした。
また、初級者を対象にしたブログサービス「VOX」（開発コードは「Project Comet」）は、米国で既に限定的にベータサービスを始めているが、「時期はいえないが日本でのベータ版提供も予定している」（関氏）とした。
