記者発表会にゲストとして登場した元ソニー・ミュージックエンタテインメント社長で、現在インディーズレーベル会社「247music」の代表取締役をしている丸山茂雄氏(左)とアマゾン ジャパン、メディアプロダクトヴァイスプレジデントのローレン川崎氏(右)
記者発表会にゲストとして登場した元ソニー・ミュージックエンタテインメント社長で、現在インディーズレーベル会社「247music」の代表取締役をしている丸山茂雄氏(左)とアマゾン ジャパン、メディアプロダクトヴァイスプレジデントのローレン川崎氏(右)
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【Amazon e託販売サービスの位置付け】通常の卸を経由した販売ではない経路を別途設けることで、ロングテール理論におけるテール部分の押し上げが図れるとしている
【Amazon e託販売サービスの位置付け】通常の卸を経由した販売ではない経路を別途設けることで、ロングテール理論におけるテール部分の押し上げが図れるとしている
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 アマゾン ジャパンは2006年6月12日、出版社やメーカーの商品を委託販売する「Amazon e託販売サービス」を開始した。これまで一般小売店ではなかなか取り扱われなかった小規模出版社やインディーズメーカーなどの企業、および創作活動や出版・制作活動の支援を求める著者やアーティストなどがサービスの対象。同サービスを利用すれば、卸を介することなく購入者に直接、商品を訴求できるため、同社が推し進めているロングテール・ビジネスにおけるテール部分の押し上げにつながるとしている。米国では1998年、英国では2001年に、ドイツでは2006年に入ってから、既に同サービスを開始している。

 委託された商品はアマゾンが千葉県市川市に保有する物流センター「アマゾン市川FC(フルフィルメントセンター)」に委託在庫として保管され、その後は、ほかの商品と同様、注文受付から梱包、発送まですべてアマゾンが請け負う。これにより、原則注文時から24時間以内の発送が可能になるという。

 委託する商品タイトルについてはe託販売サービス利用者が決められるものの、委託する点数についてはアマゾンが過去の実績などを基に決める。「実績のない商品は、原則1点からの取り扱いになる」(アマゾン ジャパン、e託販売サービス統括マネージャーの根来香里氏)という。

 サービスの年会費は9000円。商品が売れた場合は販売代金の40%をアマゾンに支払う。参加できるのは、日本国内の事業体もしくは20歳以上の個人。「登録する商品の販売権を持っている」、「カタログ登録をする商品には、ISBNもしくはJANコードが必須」、「ISBNもしくはJANコードが商品パッケージに印刷または貼り付けされている」など、いくつかの条件がある。

 当初は、書籍、CD、DVD、ビデオゲーム、ソフトウエアなど、いわゆるパッケージ化された商品が対象。「今後は取り扱うジャンルを増やしていきたい」(アマゾン ジャパン、メディアプロダクトヴァイスプレジデントのローレン川崎氏)としている。