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【日本Rubyカンファレンス2006】「趣味の言語からビジネスの言語へ」---日本初のRuby大規模イベント開催

2006/06/12
高橋 信頼=ITpro (筆者執筆記事一覧
Ruby on Railsの開発者David Heinemeier Hansson氏
Ruby on Railsの開発者David Heinemeier Hansson氏
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日本Rubyカンファレンス2006会場
日本Rubyカンファレンス2006会場
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「Rubyは趣味からビジネスへ」日本Rubyの会会長でツインスパークの高橋征義氏
「Rubyは趣味からビジネスへ」日本Rubyの会会長でツインスパークの高橋征義氏
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「Rubyは普通の人向けの言語」まつもとゆきひろ氏
「Rubyは普通の人向けの言語」まつもとゆきひろ氏
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Ruby on RailsとdRubyで解発されたはてなスクリーンショット
Ruby on RailsとdRubyで解発されたはてなスクリーンショット
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「Rails in Production」と題されたパネル・ディスカッション
「Rails in Production」と題されたパネル・ディスカッション
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Railsを社内標準に採用したドリコムのCareer Search
Railsを社内標準に採用したドリコムのCareer Search
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イーサポートのログ集計結果分析閲覧サービス
イーサポートのログ集計結果分析閲覧サービス
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ミッタシステムの託児施設入退室管理システム
ミッタシステムの託児施設入退室管理システム
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Railsで構築したCMSRubricks
Railsで構築したCMSRubricks
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米LINUX Journal誌の表紙を飾ったHansson氏とRuby
米LINUX Journal誌の表紙を飾ったHansson氏とRuby
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Hansson氏による新機能ActiveResourceの解説
Hansson氏による新機能ActiveResourceの解説
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日本科学未来館のRubyで制御された「インターネット物理モデル」。産業技術総合研究所 江渡浩一郎氏の発表
日本科学未来館のRubyで制御された「インターネット物理モデル」。産業技術総合研究所 江渡浩一郎氏の発表
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 「Rubyは趣味の言語からビジネスになった」(日本Rubyの会会長 高橋征義氏)---6月10日と11日の2日間,Rubyに関する日本初の大規模イベント日本Rubyカンファレンス2006が開催された。

 カンファレンスではRubyの生みの親であるまつもとゆきひろ氏,Webフレームワーク「Ruby on Rails」の開発者であるDavid Heinemeier Hansson氏による基調講演のほか,数多くの講演やパネル・ディスカッションが行われた。技術的な講演だけでなく,多くの事例紹介もあり,Rubyが業務用途に普及していることを示すものとなった。

 参加者は約300人。当初発売したチケットは約1時間半で売り切れた。急遽追加発売が行われ,Rubyへの人気の高さをうかがわせた。

 日本Rubyの会会長でツインスパークの高橋征義は「Ruby の歴史」と題して講演。Rubyが初めて公開された1995年から,海外でも書籍の出版やカンファレンスの開催が行われるようなった普及の軌跡をたどり,「Ruby on Railsの普及に見られるように,Rubyは趣味の言語からビジネスの言語になった」と語った。

 まつもとゆきひろ氏はRubyが多くの人々に受け入れられた理由を「頭のいい人向けではなく“普通の人向け”に作った言語だったからではないか」と語った。また「海外で最初のRuby本を書いてくれたDave Thomas氏や,リファクタリングを提唱したMartin Fowler氏,Obejctive-Cの開発者Brad Cox氏,SmallTalkの開発者のひとりであるAlan Key氏など,多くの人がRubyを気に入ってくれ,紹介してくれた」と感謝の意を表した。

Rails事例が続々,社内標準とする企業も

 カンファレンスでは,多数のRuby on Rails採用事例に関する報告が行われた。

 はてなの舘野祐一氏は,5月下旬にサービスを開始した「はてなスクリーンショット」を,分散オブジェクトを実現するライブラリ「dRuby」とRubyのWebアプリケーション・フレームワーク「Ruby on Rails」(Rails)を使って構築したことを紹介した(詳細記事)。

 「Rails in Production」と題されたパネル・ディスカッションでは,Ruby on Railsを実際に業務に利用している企業がその実例を披露した。

 ドリコムの瀧内元気氏は,「ドリコムでは2005年末に全社共通フレームワークとしてRuby on Railsを採用,B2Cサービスは全てRailsで作ることにした」との方針を紹介。すでに求人情報検索サービス「Drecom Career Search」をRailsで構築,公開した。このサービスは50の求人サイトから求人情報を一括検索するもので,Ajaxも利用している。

 また同社ではRailsで構築したアプリケーションのコンテスト「Drecom Award on Rails」を企画,現在応募を受け付けている。

 オープングルーヴ 技術責任者 大前潤氏は,RSSリーダー・サイト「FEEDBRINGER」をRailsで構築した事例を紹介した。RailsのほかPostgreSQLやlighttpdも利用している。

 シルバーエッグ・テクノロジー ストヤン・ジェコフ氏は約2年前にRuby on Rails を会社に提案,現在ほとんどのプロジェクトで使用しているという。これまでに社内向けの内部計算システムやモニタリング・システムなどを構築した。

 イーサポートの高木宏氏は,保守契約管理などの社内業務にRailsを採用している事例などを紹介した。顧客向けにも,ログ集計結果分析閲覧サービスをRailsで構築,先日リリースしたという。

 ミッタシステムの吉田和弘氏は,託児施設入退室管理・請求書発行システム,携帯メール連絡網システム,顧客・業務管理システム,さぬきうどん製麺所メールマガジン配信システム,アンティーク雑貨ショッピングサイトなどをRailsで構築した。

 大西正太氏はRailsで構築したCMS(コンテンツ管理システム)Rubricksを紹介した。Ajaxを活用しユーザーがマウスのドラッグ・アンド・ドロップによりレイアウトを変更することができる。

「DBとWebを統一して操作可能に」,Rails作者Hansson氏

 カンファレンスには,Railsの作者であるDavid Heinemeier Hansson氏がシカゴから来日,基調講演を行った。Hansson氏は「One controller, many ins, many outs」と題して講演。Railsの設計思想について語るとともに,現在開発中の新機能を紹介した。

 ActiveResourceと呼ぶそれは,Railsの中核となるO/Rマッピング・ツールActiveRecordの拡張であり,データベースに加えてWebアプリケーションにも同じ方法でアクセスできるようにする機能だ。データベースとWebアプリケーションに対してもはCRUD(Create,Read,Update,Delete)という統一された枠組みで操作できるようにする。ただし現在のところRailsで構築されたWebアプリケーションへのアクセスを前提に実装しており「SOAPやXML Webサービスをサポートする必要は私自身では感じていない。必要な人に実装していほしい」と話した。

日本科学未来館の「インターネット物理モデル」はRubyで動いていた

 Rails以外にも多くのRuby採用事例が紹介された。

 まつもと氏の勤務先であるネットワーク応用通信研究所 代表取締役 井上浩氏は日本医師会の「医事標準レセプト ソフト」やCRMなどの業務ソフト「Laborシリーズ」など,同社の社員が開発したRuby関連オープンソース・ソフトウエアを紹介した。同社は島根県のホームページを構築したが(関連記事),同社が開発したRubyベースのCMS(コンテンツ管理システム)を使用しており,こちらも今後オープンソース・ソフトウエアとして公開する予定という。井上氏は「ネットワーク応用通信研究所はlinux.or.jpのサーバーを運営するための企業として生越昌己氏らと設立,まつもと氏も創業時から参加しSI案件にRubyを活用してきた」と同社設立の経緯を紹介,「今後もRuby普及のためコミュニティのお手伝いをしていきたい」と話した。

 また独立行政法人 産業技術総合研究所 江渡浩一郎氏は日本科学未来館の常設展示である「インターネット物理モデル」のRubyによる制御事例を紹介した。日本Rubyカンファレンス2006が開催されたのは産業技術総合研究所 臨海副都心センター。日本科学未来館のすぐ隣である。インターネット物理モデルとは,インターネットを流れるデータを小さな玉に見立て,その動きを実際の玉の動きとして見ることができる,日本科学未来館を代表する展示だ。インターネット物理モデルはRubyで直接Win32APIをたたくことによって制御したという。

 このほかにも,多くの技術的な興味深い発表が行われた。講演者の発表資料などは日本Rubyカンファレンス2006の公式サイトで今後順次公開される予定である。

【訂正】
当初David Heinemeier Hansson氏がデンマークから来日と記述しておりましたが,Hansson氏は現在デンマークから米国シカゴに居を移していました。お詫びして訂正いたします。

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