再生側での処理が少なくて済むデジタル・コンテンツの新しい保護技術を使ったDRM(デジタル著作権管理)製品を初披露 --- 。動画処理システムの販売などを手がけるアイシスは,この新技術を採用したフランス Medialive社のDRM製品を,「Interop Tokyo 2006」と併催の「IMC Tokyo 2006」のアドバンスド・コミュニケーションズのブースで展示している。
特徴は,MPEG4やMPEG2で圧縮した映像コンテンツから,およそ1%にあたるエントロピーの高い部分(モーション・ベクタ情報やAC/DC情報)を抜き取ることでスクランブル状態化させる点にある。従来のDRMシステムでは,コンテンツを暗号化して配信。受信機側では暗号化されたコンテンツを復号する処理が必要だった。新技術を使うと受信機側での処理が軽く済み,携帯電話などでの映像視聴に向いている。
抜き取られた1%のデータをDRMサーバーから受け取り,再合成しない限りオリジナル品質で再生することができない。MPEG2,MPEG4,H.264などのコーデックやEnvivioTV,RealPlayer,Helix PlayerなどのMedia Playerに対応している。また,利用回数や利用可能期間,Pay Per Time(最初の30秒をプレビュ用として通常通り再生させ,残りをスクランブル化させるなど),Pay Per UserなどのDRMルールを付加することが可能である。
これ以外にも,アドバンスド・コミュニケーションズでは,MPEG2/MPEG4/H.256/WMV9およびハイビジョンに対応したHDD搭載のIP-STB(ECCLE8000)や,Envivio社のH.264/AVC HDTV対応エンコーダーを展示している。
(隅倉 正隆=IT放送技術ジャーナリスト兼コンサルタント)