「日本版SOX法」の中核となる金融商品取引法が6月7日午前、参議院本会議において賛成多数で可決、成立した。同法は証券取引法などの一部を改正するもの。金融商品に関するルールを整備し、投資家保護を目指す。「村上ファンド」のような投資ファンドに対する規制を強化するほか、株式公開買い付け(TOB)のルールを整備するなど、幅広い内容を含む。

 上場企業に、財務諸表の内容の適正性を確保するための組織体制(内部統制)について評価した「内部統制報告書」を提出する義務を課すのも同法の大きな柱(第24条の4の4)。この規定は、「平成20年4月1日以後に開始する事業年度から適用する」(附則第15条)としており、3月期決算の企業では、2009年(平成21年)3月期から内部統制報告書を提出しなければならないことが法的に確定した。

 この内部統制報告書の重要な事項について虚偽の記載があるものを提出した者は、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」に処すという罰則がある。

 同法が求める内部統制の内容については、2005年12月に金融庁の企業会計審議会内部統制部会が、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準案」として公表している。さらに、2006年12月までには、同部会から実務上の指針を示した「実施基準」を発表する見込みだ。金融商品取引法とこれらの基準の3つを合わせて、類似する米国のサーベンス・オクスレー法(SOX法)になぞらえて「日本版SOX法」と呼ぶことがある。これらのルールが整備されるのに伴って、企業の日本版SOX法対応が加速しそうだ。