ソフォスは6月7日,ウイルス対策ソフトの新版「Sophos Anti-Virus for Windows 6.0」を発売した。新版では,ウイルス(悪質なプログラム,マルウエア)だけではなく,「不要と思われるアプリケーション(PUA:Potentially Unwanted Application)」も検出して隔離あるいは削除できる。PUAにはWinny(ウィニー)のようなP2Pファイル共有アプリやアドウエアなどが含まれるという。

 Sophos Anti-Virus for Windowsは主に企業や組織に向けたウイルス対策ソフト。同梱の管理ソフトウエア「Enterprise Console」を使えば,複数のパソコン(クライアント)にインストールされたSophos Anti-Virus for Windowsを集中管理できる。これは従来版でも備えていた機能。

 新機能の一つは,PUAに対応したこと。PUAとは,「マルウエアではないが,ビジネス環境には不要だと考えられるアプリケーションのこと」(営業企画本部長の牛込秀樹氏)。PUAかどうかは同社のラボが判断する。PUAとされたアプリケーション(プログラム)の特徴は,同社が配信するウイルス定義ファイルに含まれ,ウイルスと同じように検出される。

 ただし,検出されたファイルがマルウエアとPUAのどちらなのかはユーザーにも分かるように表示される。また,検出した際に取るアクション---削除(駆除)するのか,それとも隔離する(駆除せずに一時的にアクセスできない状態にする)のか---については,「マルウエアとPUAでは別々のポリシーを設定できる」(牛込氏)。PUAとするプログラムを管理者が独自に設定することも可能であるという。

 そのほか新版では,パーソナル・ファイアウオール「Sophos Client Firewall 1.0」をオプションで用意。追加料金を支払えば,Anti-Virus for Windowsと組み合わせて利用できる。「Anti-Virus for Windows同様,Client FirewallもEnterprise Consoleから集中管理できる」(代表取締役社長のアラン・ブロデリック氏)。

 また,シスコシステムズのセキュリティ技術「NAC(ネットワーク・アドミッション・コントロール)」に新たに対応。64ビット版Windows XP/2003もサポートする。

 Anti-Virus for Windowsの価格は,1ユーザーあたり3960円(100ユーザーまで。1年間のライセンス)。Anti-Virus for WindowsとClient Firewallを組み合わせた価格は,1ユーザーあたり4760円(100ユーザーまで。1年間のライセンス)。「ユーザー数が多くなれば,1ユーザーあたりの価格は下がる」(ブロデリック氏)。詳細については,同社に問い合わせてほしいとする。