α100はブラックとシルバーの2色。実勢価格は本体のみだと約10万円
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α100のブランドカラーは、オレンジ色に近い「シナバー(辰砂)」。レンズマウントの結合部とαロゴに使用している
α100のブランドカラーは、オレンジ色に近い「シナバー(辰砂)」。レンズマウントの結合部とαロゴに使用している
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背面には23万画素の2.5型液晶を搭載。オーソドックスなスタイル
背面には23万画素の2.5型液晶を搭載。オーソドックスなスタイル
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発表会場となった東京・渋谷の表参道ヒルズは、屋内外でαロゴが飛び交った。道行く人々が何事かと不思議がる場面も見られた
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会見の席上では、「デジタル一眼の真打登場」という力強い言葉も出た
会見の席上では、「デジタル一眼の真打登場」という力強い言葉も出た
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 ソニーは2006年6月6日、同社初のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「α100」を2006年7月21日に発売すると発表した。カメラ本体にCCDシフト方式の手ぶれ補正機能を内蔵し、レンズ交換時のCCDへのゴミ付着を低減するアンチダスト機能を搭載。ミノルタ、もしくはコニカミノルタ製のカメラと共通のαマウントに対応する交換レンズが使える。

 α100の価格はオープンだが、実勢価格は本体のみが10万円前後、標準ズームレンズ「DT 18-70mm F3.5-5.6」が付属するレンズキットが12万円前後、さらに望遠ズームレンズ「DT 75-300mm F4.5-5.6」を加えたダブルレンズキットが14万円前後になる見込み。

 ソニーは2005年7月から、コニカミノルタとデジタル一眼レフカメラの開発で提携して共同開発を進めていた。だがコニカミノルタは2006年1月19日、カメラ事業から撤退することを発表。結果としてソニーは4月から、コニカミノルタのカメラ事業の多くを開発者を含めて引き継いだ。ソニーにとって今回のα100は、長年の目標だったレンズ交換式デジタル一眼レフカメラへの参入第1弾。キヤノンやニコンなど強力なライバルがいる中での挑戦だ。

 東京・渋谷の表参道ヒルズで行われた発表会の席上では、「サイバーショットとαの両ブランドで、ソニーはカメラメーカーとしても一流ブランドを確立していく」(執行役EVPの中川裕デジタルイメージング事業本部長)、「デジタル一眼レフカメラの真打が登場した」(デジタルイメージング事業本部AMC事業部の勝本徹事業部長)と、次々に力強い言葉が飛び出した。果たしてキヤノンとニコンの牙城を、ソニーが崩していけるのだろうか。2006年度中には松下電器産業の参入も控えている。今後もデジタル一眼レフカメラ市場は目が離せない。

 それでは、α100の基本性能を見ていこう。今回の目玉の1つであるCCDシフト方式の手ぶれ補正機能は、コニカミノルタの「α-7 DIGITAL」や「α-Sweet DIGITAL」に採用していたものより進化している。新開発したジャイロセンサーを搭載して、手元の細かいぶれだけでなく、体全体の大きくゆっくりしたぶれ(船の上での撮影など)にも対応するようになり、ぶれ補正効果もシャッター速度で最大3段分だったものが、最大3.5段分に向上した。ほぼすべての交換レンズにおいて手ぶれ補正効果が得られるこの機能は、暗いシーンでの撮影や無理な体勢での撮影で役立つだろう。
 
 レンズ交換時にCCDに付着するゴミやほこりへの対策として、「アンチダスト機能」を搭載。CCDの前面に静電気を防止する特殊なアンチダストコーティングを施してゴミやほこりの付着を減らし、付着した場合でもCCDを振動させて振るい落とす機構にした。アンチダスト機能でも取り除けないゴミやほこりは、ブロアーで吹き飛ばすことになる。静電気を防ぐアンチダストコーティングを施しているので、軽く吹き付けるだけで取り除けるのだという。

 このほか、撮像素子にはAPS-Cサイズの1020万画素CCDを搭載。このCCDと独自の画像処理技術「Bionz(ビオンズ)」で、高解像度と低ノイズを両立させている。連写性能は最高画質モードで秒間3コマ。カード容量がなくなるまで連続撮影できる。ISO感度は、自動/100/200/400/800/1600。シャッター速度は1/4000秒~30秒で、バルブ撮影も可能。

 液晶は同社のサイバーショットシリーズなどでも採用されている2.5型の「クリアフォト液晶プラス」を採用。液晶の画素数は23万。1回のフル充電で約750枚の画像が撮れるバッテリー持続時間もウリにしている。

 記録媒体は、メモリーステックデュオ、メモリーステックPROデュオ、コンパクトフラッシュ(Type I/II)、マイクロドライブ。本体サイズは幅133.1×奥行き71.3×高さ94.7mm。重さは電池と記録媒体を除いて545g。

 このほか、ソニーはαマウントの交換レンズ「ソニーαレンズ」を2006年7月から順次、21本発売すると発表した。ソニーαレンズは、既存レンズのモデルチェンジがほとんどだが、独カールツァイスと共同で開発した3本のレンズが含まれる。カールツァイスとの共同開発レンズは、「Planar T* 85mm F1.4 ZA」(18万9000円、2006年10月発売)、「Sonnar T* 135mm F1.8 ZA」(21万円、2006年10月発売)、「Vario-Sonnar T* DT 16-80mm F3.5-4.5 ZA」(10万3950円、2006年11月発売)。

 なお東京・銀座のソニービルと大阪のソニースタイルでは、2006年6月7日からα100にいち早く触れる先行展示が始まる。加えて2006年6月11日から、仙台、札幌、東京、大阪、名古屋、福岡、広島と全国7会場でα100の先行体感イベントを開催する。

■ソニーの「α」オフィシャルサイト