ウィルコムは2006年6月6日、Windows Mobile 5.0を搭載したPHS端末「W-ZERO3」(WS004SH)を2006年6月22日に発売すると発表した。2005年12月に登場し人気を博した、同(WS003SH)の後継モデルとなる。価格はオープン。同社の直販サイトでは、新規ユーザー向けのPHS通信モジュール付きモデルを約4万5千円、既存ユーザー向けのモジュールなしモデルを約5万円で販売するとしている。
新モデルは、メモリー容量を従来の128MBから256MBに強化したのが特徴。より多くのアプリケーションやデータを保存できるようになった。さらに、三省堂の電子辞書「エクシード英和辞典」「エクシード和英辞典」「デイリーコンサイス国語辞典」「英文ビジネスレター辞典」を本体に収録。電子辞書機能を備えた。きょう体の色は、従来の「ガンメタリック」と呼ぶ黒に加え、新たに「パールホワイト」と呼ぶ白を用意。表面に特殊な処理を施し、指紋が残りにくくなった。
今回の強化点について同社は「既存ユーザーの要望が特に高かったもの」(ウィルコム常務執行役員 土橋匡氏)と述べ、新モデルでは従来モデルの弱点が大幅に解消されたことを強調した。その一方で、最も要望の高かったとされるバッテリー駆動時間については「3.7型の大きな液晶を搭載していることもあり、現状で改善は困難」(土橋氏)とし、今後の課題とした。
同時に、W-ZERO3を利用した企業向けのネットサービスを2種類発表した。1つは、SOHOや小規模企業向けのASP型サービス。同社が運用するExchangeサーバーとW-ZERO3を連携させて、出先でもメールやスケジューラーなどを利用できるようにする。設備やメンテナンス作業を同社が請け負うため、グループウエア環境の構築が低コストになるという。もう1つは、中規模企業向けのIP-VPNサービス。企業ユーザーが、遠隔地からイントラネットなどにアクセスする際、同社が持つ独自のIP網を利用することで、通信のセキュリティレベルを高められるとしている。これらのサービスを武器に「現行のノートパソコンで行っていた作業をW-ZERO3に移行させていきたい」(土橋氏)とし、今後はSOHOや企業のユーザーに同端末の利用を促していくという。サービスの提供時期は2006年8月を予定する。