NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は6月6日,パソコンやWebカメラなどの端末単位でVPN(仮想閉域網)を構築できる「IPv6マルチポリシー接続サービス」を発表した。7月末から試験サービスを開始する。

 同サービスでは,ユーザー宅内にIPsec通信を行う専用装置(CPE)を設置。端末にはIPアドレス数が事実上無限に存在するIPv6アドレスを割り当てる。すべての端末がそれぞれ異なるグローバルIPアドレスを持つので,端末単位のVPN構築が可能になった。例えば,同一オフィス内の端末でも,それぞれ異なるVPNに参加させることが可能。「拠点や会社をまたいだVPNの構築が簡単にできる」(NTTコム)としている。

 また,端末単位なのでVPNの再構築も容易。「必要に応じてVPNを張り替える『オンデマンドVPN』を実現する」(NTTコム)という。なお,従来は端末にIPv4のローカルIPアドレスを割り当て,拠点単位でVPNを構築することが多かった。

 NTTコムでは当初,NTTファシリティーズなどのビル管理会社に試験サービスを提供。ビル内のカメラや照明機器,各種センサーにIPv6アドレスを割り当て,VPN経由のビルの遠隔管理などに利用する。

 NTTコムでは2007年3月までに本格サービスを開始する予定。「本格サービス開始時にはVPNごとにQoS(quality of service)を設定できる機能などを提供したい」(NTTコム)としている。