米Symantec エンタープライズ メッセージング マネジメントのシニア プロダクト マネージャ Matt Harwell-Herrero氏
米Symantec エンタープライズ メッセージング マネジメントのシニア プロダクト マネージャ Matt Harwell-Herrero氏
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 シマンテックは6月6日,ウイルスやスパム(迷惑メール)対策機能などを備えるセキュリティ・ゲートウエイ製品の新版「Symantec Mail Security for SMTP 5.0」を発表した。新版では,メールの特徴などから新種ウイルスの侵入を防止する機能などが追加された。1年間のライセンス価格は,1ノードあたり2600円(24ノードまで。ウイルス対策機能のみ)など。6月22日に発売予定。

 Symantec Mail Security for SMTP(以下,SMS for SMTP)は,送受信するメールを中継して,メールのウイルス/スパム・チェックやコンテンツ・フィルタリングを行なうためのソフトウエア製品。対応OSはWindows 2000 Server/2003 Server,Solaris 9/10,RedHat ES/AS 3.0。ただしSMS for SMTP 5.0では,SolarisとRedHatについては英語版のみに対応。9月あるいは10月発売予定のSMS for SMTP 5.01で日本語版Solaris/RedHatにも対応する。

 今回発表したSMS for SMTP 5.0では,ウイルス定義ファイルが未対応の新種ウイルスを添付したメールをブロックする機能を追加した。具体的には,メールの特徴(件名や本文,送信者情報など)から,疑わしいと思われるメールを一時的に隔離する。

 疑わしいメールの特徴は,「サスペクト・ウイルス・シグネチャ」と呼ばれるファイルとして同社から配信される。隔離したメールは,定義ファイルが作成された後にスキャンして,管理者が確認後,問題がなければ受信者へ配信する。

 「定義ファイルの作成には数時間かかる。サスペクト・ウイルス・シグネチャなら数分で作成・配信できるので,定義ファイルが作成・配信されるまでのアウトブレーク(ウイルスが急速に感染を広げること)を防げる」(米Symantec エンタープライズ メッセージング マネジメントのシニア プロダクト マネージャであるMatt Harwell-Herrero氏)。

 そのほか,新版ではスパム対策機能を強化したという。「現行のSMS for SMTP 4.1はウイルス対策製品。Symantec Premium AntiSpamを導入すれば,現行バージョンでもスパム対策は可能だが,基本的な機能しか備えていない。新版5.0では製品のコードを大きく書き換えて,スパム対策機能を製品にインテグレートするとともに機能強化を図った」(シマンテック プロダクト・マーケティング部 リージョナル・プロダクト・マーケティング・マネージャの今村康弘氏)。

 例えば,スパム送信者と思われるホストからのSMTP接続を制限する機能を追加した。特定のホストから連続してSMTP接続が要求された場合には,そのホストがスパムやウイルス・メールの送信元である可能性が高いとして,そのホストからの接続レートを制御する。

 「これにより,(ランダムなメール・アドレスあてにスパムを送信して有効なアドレスを調べる)Directory Harvest Attack(DHA)も防げる」(今村氏)。また,送信者ドメイン認証であるSPF(Sender Policy Framework)にも対応する。「SMTP接続の時点でスパムをブロックできれば,コンテンツをチェックする必要がないのでメール・トラフィックのスループットへの影響を抑えられる」(同氏)。

 価格は,利用する機能や利用期間,同製品を利用するノード数(クライアント数)によって異なる。例えば,24ノードまでの場合,スパム対策機能だけを利用する場合には1ノードあたり3400円,ウイルス対策とスパム対策の両方を利用する場合には1ノードあたり5400円(いずれも1年間)となる。利用期間(契約年数)が長くなれば,あるいはノード数が多くなれば1ノードあたりの価格は下がる。

◎参考資料
シマンテック,SMTP ゲートウェイ向けアンチスパム,アンチウイルス,コンテンツフィルタリングの統合ソリューションを発表(プレスリリース)