総務省は6月5日,2005年度末時点のNTT東西地域会社のアクセス回線シェアの速報値を公表した。光ファイバ回線の全国平均シェアは78.6%。対前年度比0.5ポイント増とわずかながら東西NTTがシェアを伸ばした。

 都道府県別に見ると,NTT東日本の営業区域はシェアが軒並み90%を超えた。最も競争の激しい東京都でも76.3%(同2.1ポイント増)と,NTT東日本が圧倒的な強さを保っている。

 これに対し,NTT西日本の営業区域は電力系通信事業者などとの激しい競争が続いている。中でも徳島県は前年度から32.9ポイントもシェアを落とし54.4%。2004年度に既に50%を下回っていた滋賀県は,さらに3.5ポイント低下の40.3%と,30%台に落ち込む可能性さえ見えてきた。

 東西NTTのアクセス回線には,自社利用と同じ条件で他社に貸し出す義務などを負う「指定電気通信設備」という規制が課せられている。この規制を課す判断材料として,総務省は各県別のアクセス回線シェアに注目している。

 ただし,現状は光ファイバ単体ではなく,電話用銅線と合計したシェアを使って総務省は判断している。銅線との合計では最もシェアが低い三重県でも82.9%と,東西NTTが地域を問わず圧倒する。ルールが変更されない限り,当面は東西NTTのアクセス回線に対する指定電気通信設備の規制は外れそうにない。