北海道の六つの信用金庫(旭川、札幌、空知、苫小牧、北海、室蘭)は、今年3月末に発生したシステム・トラブルの抜本的な再発防止策を、4月から実施している。対策の骨子は、(1)障害時における取引量の制限強化、(2)運用体制の強化、(3)障害時の復旧方法の変更だ。6信用金庫は、日本ユニシスのアウトソーシングセンターを利用しているため、ユニシスも全面的に協力している。

 (1)は、ハード故障などによって、冗長構成のメインフレームを縮退運転している場合には、短時間で取引の集中しやすい対外接続系について、利用する通信回線を制限するというもの。

 (2)では、ハードの故障時に、いくつかのパーツで構成するモジュール単位で交換できるようにする。故障部分の特定に時間がかかる場合に、復旧までの時間を短縮できるという。

 (3)は、メインフレームの一方が故障した際に、残る1台を動かしたままで冗長構成に戻せるようにすることを指す。これを可能にするためプログラムを改修した。従来は、いったんシステムを再起動させなければ、正常運転に戻せなかった。さらにハードをユニシスの最新メインフレーム「CS380Dシリーズ」に交換する。2008年1月の予定だったが、障害発生を受けて前倒しする。

 3月末のシステム・トラブルでは、午前10時からほぼ終日にわたって、6信用金庫で、ATM(現金自動預け払い機)や窓口端末の処理に遅延が生じた。このトラブルは、ハード故障による縮退運転時に、対外接続系へアクセスが集中したことで発生したものだった。新たな対策を実施することで、システムの可用性をさらに高める。