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 日本ビジネスコンピューター(JBCC)など日本IBMのパートナー5社は、日本IBMのサーバー製品「IBM System i5」シリーズで、オープンソース開発言語「PHP」を使ったアプリケーションの利用拡大を目的とする「OpenSource協議会 - System i5」を発足した。アプリケーションの共同開発や動作検証を行い、System i5上での情報系システムの導入を推進することで、参加企業のSystem i5関連事業の拡大を支援していく。

 発足時の幹事会に参加したのはJBCCのほか、日本オフィス・システム、トッパンエムアンドアイ、福島情報サービス、ゼンド・ジャパン。ゼンド・ジャパンを除く4社は、System i5の有力販売パートナーである。ゼンド・ジャパンは、PHPの統合開発環境パッケージなどを提供しており、今後、System i5のi/5 OSに対応する製品を提供していく計画だ。協議会は5月11日に、5社が集まったキックオフミーティングを終えており、6月から本格的な活動を開始する。

 協議会の会長には、JBCCの奥村捨吉ソフトウェア事業部テクニカルエキスパート開発技術担当GM(写真)が就任した。奥村会長は「System i5の主要なユーザーである中小企業の多くは、基幹系システムと情報系のシステムを、1台のSystem i5サーバーでやりたいと考えている。そうしたユーザー企業のニーズに応えるには、PHPを使ったシステムが有力な選択肢になる」と狙いを説明する。

 これまで、System i5や従来機種であるiSeriesやAS/400で基幹システムを導入したユーザー企業がWeb系システムを追加導入する際は、同一サーバー上でWebSphere Application Serverを使ってJavaアプリケーションを構築するか、別のPCサーバーなどを使ってシステムを開発するのが主流だった。今後は、System i5上でPHPを使ったシステムを構築できるようにすることで、中小企業ユーザーが、比較的手軽にWebアプリケーションを導入できるようにする。情報系システムでの追加利用を促すことで、既存のiSeriesやAS/400から、System i5へのリプレースにつなげる狙いもある。

 協議会では今後、System i5上で使えるアプリケーションを共同開発していく。例えば、データベース接続ツールや基幹業務システムのフロントアプリケーション開発ツール、BI(ビジネスインテリジェンス)ツール、ブログ構築ツールなどを検討している。米国などで活用されている英語版オープンソースソフトの日本語化も手掛けていく計画だ。開発したアプリケーションは協議会で動作検証をして、ユーザー企業への展開を推進する。2006年中に20種類のアプリケーションを開発する計画だ。

 PHPの認定技術者の育成にも力を入れ、会員企業におけるPHP技術者を、2006年中に1000人に増やす狙いだ。日本IBMは、技術情報の提供などで協議会を支援する。会員企業は、2006年中に100社に増やすことを目指しており、日本IBMの販売パートナーに加えて、System i5のシステム構築を手掛けるシステムインテグレータなどにも参加を呼びかける。