日立製作所は5月31日、システム運用管理ソフトの新版「JP1 Version 8」シリーズの販売を開始した。今回投入する新ソフトは、モニタリングや構成管理、コンプライアンス支援など13製品にわたっており、出荷は6月30日とする。「JP1は2005年度、前年比10%増の成長だった。今後も年10%以上の成長を目指す」(日立の中村孝男ソフトウェア事業部長)という。

 モニタリング向け製品では、トラブル時の対処などを事前に複数定義して、状況に合わせて最適な対処を選択する「JP1/Integrated Management-Rule Operation」(価格は42万円から)や、スケジュールに沿った自動運用を行う「同 Planning Operation」(31万5000円から)などを提供。コンプライアンス支援では、ポリシーに合わないクライアントパソコンを社内ネットワークに接続させない「JP1/NETM/Network Monitor」(31万5000円から)などがある。

 コンプライアンス支援製品は、いわゆる日本版SOX法対応をうたっており、「日本版SOX法による需要は、情報漏洩対策などセキュリティ需要が成長したとき以上の伸びを期待している」(日立の松田芳樹ソフトウェア事業部システム管理ソフトウェア本部本部長)という。

 日立は新版の投入に併せて、JP1のパートナー制度にテクニカルパートナーという新たなパートナー制度を追加する。テクニカルパートナーは、JP1を使ったシステム構築や運用能力を持ったパートナーという位置付けで、販売パートナーなどが受注した案件のシステム構築・運用フェーズを支援する。営業力は弱いが技術力には自信があるといったソリューションプロバイダ向けの施策だ。

 中村事業部長は「JP1を使ったシステム構築・運用の案件が多いが、技術者が足りないという販売パートナーの要望が増えてきた」と説明する。現段階で、数社のテクニカルパートナー候補企業と話を進めており、数十社まで増やしていく目標を立てている。

 さらに、パートナーにおけるJP1の認定技術者の拡大も図る。現在の認定技術者は3500人程度とみられるが、「早い時期に1万人以上に増やしたい」(中村事業部長)という。認定試験代行事業者などとの協力も視野に入れ、パートナーの技術者が試験を受けやすい体制の整備を進めていく。