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 サイレックス・テクノロジーは5月31日,指の表皮状態に左右されずに指紋の特徴点を抽出できる指紋認証装置「SX-Biometrics Suite with S1」(以下「S1」,写真)を出荷した。主にPCに接続して利用することを想定しており,PCとUSB2.0インタフェースで接続する。S1は,指の表面(表皮)ではなく,その下層にある皮膚本体(真皮)に刻まれた指紋情報を読み取れる特徴がある。このため,指の表面が極度に乾燥した状態だったり,荒れや傷がある状態だったりしても,高い精度で指紋の特徴点を識別できるという。

 小型の指紋認証装置では従来,表皮の凹凸で生じる電荷量の差から指紋情報を読み取る「静電容量式」や,表皮の凹凸で生じる温度差から指紋情報を読み取る「熱検知方式」のセンサーを使うことが多かった。しかしこれらの方式では,「指の表皮の状態に影響を受けやすく,100人に2~3人は利用できなかった」(東京本部業務室 経営企画グループ 兼 業務グループ グループリーダー 綱嶋和也氏)。

 そこでS1では,「RF(Radio Frequency:無線周波)式」のセンサーを採用した。具体的には,センサーの送信電極から,伝導性のある真皮細胞に対して高周波を送信し,真皮指紋の凹凸や汗腺の凹みなどによる電界を発生させる。この電界を受信電極で読み取り,真皮の指紋の形状や汗腺の場所などを画像化する。この画像を,あらかじめ取得しておいた本人の特徴点データと突き合わせ,本人であるか否かを検証する。無線式のため,指がセンサー面に直接触れず,静電気による影響や,センサー面の破損/汚れにも高い耐久性を持つ。「数百人規模でテストした限りでは,利用できないケースはなかった。実証はしていないが,利用できないのは1000~2000人に1人くらいではないかと予想している」(綱嶋氏)。

 装置の外形寸法は,80ミリ×40ミリ×9.5ミリ(突起物を除く)。装置のほかに,指紋認証ログオン・ソフト「SX-Biometrics Suite」,USBケーブルなどが添付される。価格はオープンだが,実勢価格は1万5000円程度と見られる。