マイクロソフトは5月31日,メディア・プレイヤーの新バージョン「Windows Media Player(WMP) 11」の日本語ベータ版を公開した。同時に,Windows Media関連のパートナが増え,新たにNTTドコモがマイクロソフトの著作権保護技術「Windows Media DRM 10」に対応した携帯電話機を2006年夏に発売することなどを発表した。富士通製の「FOMA F902iS」がWindows Media DRM 10に対応する。

 著作権管理技術が「Windows Media DRM 10」になると,サブスクリプション型(月定額課金型)の音楽配信サービスや,ビデオ・クリップの配信が可能になる。日本ではタワーレコード傘下のナップスタージャパンが,2006年秋にサブスクリプション型音楽配信サービス「Napster」を開始する。楽曲数は150万曲を予定しており,パソコンにダウンロードして再生できるほか,今回発表された携帯電話機などWindows Media DRM 10対応デバイスに転送して再生できる。

 ナップスタージャパンでは,パソコンにダウンロードするサービスを「Napster Basic」,携帯音楽端末に転送できるサービスを「Napster To Go」という名称で提供する。ダウンロードしたファイルは,最大3台のパソコンで再生できる。

 ビデオ・クリップの配信は,NTTコミュニケーションズの音楽配信サービス「OCN Music Store」が開始した。200本のビデオ・クリップの配信を同日から開始したという。将来は,携帯プレイヤーでのビデオ・クリップの再生も可能になる。

 Windows Media DRM 10に対応した携帯音楽端末は,NTTドコモのほか,アイリバー・ジャパン,クリエイティブメディア,東芝,日本ビクターなどが販売する。東芝の動画再生対応製品「gigabeat V30T」は,ワンセグ・チューナや30Gバイトのハードディスクを搭載し,ワンセグの番組を最大130時間録画できる。

 WMP11の日本語ベータ版は,マイクロソフトのWebサイトで公開を開始した。ユーザー・インターフェースが一新されたほか,動画や静止画の閲覧も可能になった。日本では米国で始まった米MTV Networksによる音楽配信サービス「URGE」が利用できないほか,日本語版WMP11では,CDのジャケット画像を使ってアルバム情報などを視覚的に識別する機能が利用できないといった制限がある。