内閣官房セキュリティセンター山崎琢矢氏
内閣官房セキュリティセンター山崎琢矢氏
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セキュア仮想マシンの開発内容
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セキュア仮想マシンの開発体制
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 「セキュア仮想マシンのプロトタイプを2006年度中に開発,2007年度から内閣官房セキュリティセンターで試用する」---内閣官房セキュリティセンター(NISC)参事官補佐 山崎琢矢氏は「第10回 コンピュータ犯罪に関する白浜シンポジウム」の講演で,政府が開発するセキュア仮想マシンの詳細などについて解説した。

 山崎氏は「政策サイドからの検証と今後のビジョン」と題し講演,政府のセキュリティ施策案「セキュア・ジャパン2006」などについて講演した(関連記事「政府が「セキュア・ジャパン2006」案を発表,パブリック・コメントを募集」)。

 セキュア仮想マシンはセキュア・ジャパン2006の具体的な施策のひとつ。5月23日に正式発表した(関連記事)。産官学の合同チームによって開発する,セキュリティ機能を組み込んだ仮想マシンである。VPN機能や,ディスク上のデータの暗号化機能を備え,WindowsやLinuxといった既存のOSをそのまま使いながらセキュリティを向上させることができるという。

 セキュア仮想マシンはWinny対策として報道されたこともあったが「以前から検討していたことで,Winny対策だけを目的としているわけではない」(山崎氏)。開発チームは筑波大学,奈良先端大学院大学,電気通信大学,東京工業大学やソフトイーサなどで構成,「開発者をひとつの場所に集めて開発する」(山崎氏)。筑波大学 教授の加藤和彦氏が取りまとめを担当する。IPA オープンソース・ソフトウエア・センターも協力,オープンソース・ソフトウエアとして公開する方針である。

 2006年度にはプロトタイプを開発,2007年度には内閣官房セキュリティセンターで利用実証を行う予定である。

 また2007年度の施策「セキュア・ジャパン2007」においては,個人や中小企業といった「対策が遅れがちな部分の底上げに重点を置く」との方針を説明した。