米Symantecは現地時間5月25日,同社のセキュリティ製品「Symantec Client Security 3.x」と「Symantec Antivirus Corporate Edition(CE)10.x」に脆弱性(セキュリティ・ホール)が見つかったことを明らかにした。現時点(5月29日正午)では,英語版のアップデート(修正パッチ)のみを公開している

 今回明らかにされた脆弱性は,米eEye Digital Securityが発見したもの。同社によって,その存在だけは明らかにされていた(関連記事:シマンテックのセキュリティ製品に危険な脆弱性)。

 Symantecの情報によれば,脆弱性の存在が確認されているのは,Symantec Client Securityのバージョン3.0(ビルド3.0.2.2010,ビルド3.0.2.2020)およびバージョン3.1(ビルド3.1.0.394,ビルド3.1.0.400),Symantec Antivirus CEのバージョン10.0(ビルド10.0.2.2010,ビルド10.0.2.2010)およびバージョン10.1(ビルド10.1.0.394,ビルド10.1.0.400)。

 同社の「Norton Internet Security」や「Norton AntiVirus」といったNortonシリーズは影響を受けない。また,Client Securityのバージョン1.0/1.1/2.0,AntiVirus CEのバージョン8.0/8.1/9.0も影響を受けない。

 今回,Client Security 3.xやAntiVirus CE 10.xには,スタック・オーバーフローの脆弱性が見つかったという。このため細工が施されたデータを送られると,これらが動作するシステムを不正終了されたり,任意のプログラムが実行されたりする可能性がある。このとき任意のプログラムは,eEye Digital Securityが報告したようにSYSTEM権限で実行されるという。

 対策は,同社が提供するアップデート(修正パッチ)を適用すること。ただし,現在用意されているのは英語版のみ。英語版以外の言語バージョンについては未公表。同社のIPS(侵入防御システム)製品の最新シグネチャでは,今回の脆弱性を突く攻撃に対応済みであるという。

◎参考資料
◆SYM06-010 May 25, 2006 Symantec Client Security and Symantec AntiVirus Elevation of Privilege
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