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【SOAフォーラム2006】「SOAを理解するにはWeb 2.0を体験すべき」,アークランプ鈴木雄介氏

2006/05/29
大森 敏行=日経ソフトウエア
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 「Web 2.0とSOAは違うと言うのは簡単。しかし,SOAを理解するためには,Web 2.0から学べること,Web 2.0で起こっていることをきちんと見てほしい」。2006年5月26日に開催されたイベント「SOAフォーラム2006」でフリーランスの鈴木雄介氏は「Web2.0から学ぶSOAの本質」と題して講演を行った。鈴木氏は,Java関連ブログであるアークランプ(arclamp.jp)で知られている。

 鈴木氏はまず,自身が構築し,本番運用しているシステムを例に挙げ,Web 2.0の概念を簡単に紹介した。住所から地図を表示し,付近にある店舗を表示するシステムである。このシステムの構築コストは,驚くべきことに工数の10万円(2人日×100万円/月)だけだという。カギは,地図情報にGoogle Mapsを利用しているため,地図画像データベースの構築が無料である点。この例を通して同氏は「使いやすいWeb APIを用意し,広告を中心とした薄利多売でかせぐのがGoogleなどが採用しているWeb 2.0モデルであること」「Web APIと何かを組み合わせてアプリケーションを作ることをマッシュアップと呼ぶこと」を説明した。

 次にWeb 2.0とSOAの共通点を考察した。例として,JavaのSOAのための仕様であるJBI(Java Business Integration)をサーバー側で利用し,「京都を訪れる人が人数とグループの種類(家族,カップルなど)を入力するとおすすめの観光名所を地図上に表示する」サンプルをデモンストレーションした。このサンプルではSOAとWeb APIの両方を利用している。両者が簡単に統合できたのは,どちらもインタフェースを仲立ちとしており,アーキテクチャが似ているからだという。違いは,SOAはエンタープライズ指向であるため,フロー制御,パフォーマンス,セキュリティ,監視などの機能が充実している点である。

 これらを踏まえて鈴木氏は,Web 2.0の視点からSOAをどう理解していくべきかをまとめた。同氏は「SOAのコアは技術ではなくサービスという概念である」と強調。その意味で,Web 2.0はSOAのエントリ・ポイント(入口)に位置付けることが可能だという。同氏が勧めるのは,ベンダーのSOA製品をいきなり購入するのではなく,まずGoogle Maps APIなどでWeb 2.0を試してみること。「製品は必要になったら買えばいい」(鈴木氏)。また,Web 2.0ではWeb APIを利用する開発者が細かいニーズを拾い上げていることに注目し,SOAではユーザー企業の開発者やエンドユーザーが大きな役割を果たすと指摘した。

 ただし「Web 2.0は単なる安いSOAではない」(鈴木氏)。例えば,パソコンは単なる安いホストではなく,IT自体に変革をもたらしたのと同じである。同氏は「サービスの価値は本来は質で決まってほしい。人月では価値の判断はできない」とも語った。ベンダーによる製品販売や人月によるサービス構築を中心とした現状のSOAのビジネスモデルは,サービスの質やユーザーを中心とするWeb 2.0に駆逐される可能性がある。このような刺激的なメッセージを示唆して同氏は講演を終えた。

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