三菱UFJ信託銀行は5月25日、同社が提供するインターネット議決権行使システムで5月24日に障害が起きたことを発表した。障害は、5月24日の午前9時から25日の午前0時10分まで続き、同システムを利用している企業のうち8社の株主40人がシステムを利用できなかった。さらに、うち2人は2月期決算の株主総会に投票できなかった。

 障害が起きたのは、同社が証券代行業務を請け負っている企業に提供しているインターネット議決権行使システム。原因は、同システムで利用している電子証明書発行サーバーにおける更新作業ミスである。定期メンテナンスにおいて、5月24日の午前9時に証明書サーバーの更新ファイルが有効になるよう設定したが、一部ファイルが以前のままになり、新規の証明書を発行できなかった。結果、新たにシステムを利用しようとした株主が利用できなくなった。

 三菱UFJ信託は、24日の午後12時に株主からの連絡で障害を知った。利用者や同システムの採用企業に連絡を取るとともに、復旧に乗り出したものの、原因究明に手間取り復旧までに約半日を費やした。「メンテナンス作業の前後でテストを実施したはずだが、問題は発見できなかった」(広報室)という。三菱UFJ信託は、作業を担当したのが、自社社員なのか、委託会社の担当者なのかなどは明らかにしていない。

 議決権行使システムは2002年5月から提供され、現在は135社が利用しているが、株主が投票できないといったトラブルは今回が初めて。同社は、「人為的なミスを防ぐ対応策を早急に講じていく」(広報室)としている。