セブン-イレブン・ジャパンは5月下旬から、セブンイレブンの店舗における発注業務などを支援する「店舗システム」を刷新する。全国1万1282店(4月末現在)に新型の発注端末「GOT(グラフィック・オーダー・ターミナル)」を配置。店員がGOTを使って、販売データや商品紹介用の動画コンテンツを売り場で参照できるようにする。これにより、発注精度のさらなる向上を目指す。店舗システムを全面的に入れ替えるのは8年ぶり。

 各店舗に設置する店舗用サーバー「SC(ストア・コンピュータ)」も、NEC製の新型機に置き換える。新型のSCでは、データベースにOracle10gを採用。C#で構築した.NETアプリケーションをWindows 2003 Serverで動かす。2005年6月に導入した光ファイバ・ネットワークを通じて、データセンターから動画コンテンツを受信できるようにする。

 セブンイレブンは、店舗システムの再構築に併せて、本部社員や店舗の経営指導に当たる外勤社員が、商品の販売動向を分析するのに使う「本部情報分析システム」も刷新した。店舗の立地条件と商品の売れ行きの相関関係を分析ができるようにしている。本部情報分析システムの動作プラットフォームは、日本ヒューレット・パッカード製UNIXサーバー「HP Integrity Superdome」。データベースはOracle10gを採用した。ディスク容量は15テラ・バイト。

 このほか、店舗の会計業務を支援する「会計システム」、商品紹介用の動画コンテンツを管理・配信する「マルチメディア情報発信システム」も刷新済み。さらに今年11月から来年3月にかけて、独自発行する電子マネー「nanaco」やSuicaなどの読み取り装置を搭載した新型のPOSレジスタを全店舗に順次導入していく。

 セブンイレブンは、今回刷新した店舗システムや本部情報分析システム、ネットワーク・システム、マルチメディア情報発信システムなどを、「第6次総合情報システム」と位置づけている。第6次システムの総投資額は500億円。第6次システムの稼働により、同社の強みである「仮説検証」型の発注業務を、さらに強力に支援することを目指す。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ)

 日経コンピュータでは、セブンイレブンの第6次システムの全貌を紹介する特集記事を5月29日号に掲載いたします。併せてお読みください。