SAPジャパンは24日、内部統制システムの構築を支援するソフト「Virsa Compliance Calibrator for SAP」(CC)を発売したと発表した。上場企業に内部統制の導入を義務付ける、いわゆる「日本版SOX法」向けの対策ソリューションに組み込んで、ユーザー企業に提供する。

 SAPジャパンは今後、企業の法令順守(コンプライアンス)を支援する「ガバナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)」ソリューションを体系化して市場に投入する計画で、今回のCCはその第1弾である。今年の販売計画は、「SAPジャパンによる直販で少なくともユーザー30社を獲得する」(ロバート・エンスリン社長)という。またパートナー向けの支援策も整備し、協業による需要開拓に力を入れていく。

 CCは、職務に応じて業務権限を分離させる「SoD(権限分離)」を支援するソフト。CCを使えば、SAPの各種アプリケーションについて、ユーザー権限が適切に設定されているかを自動的に、常時チェックできる。アプリケーション間でのSoDの不整合なども分析が可能。開発元の米バーサ・システムズは独SAPが買収した企業で、この5月に買収を完了している。

 SAPジャパンは、今回のCCを含むGRCソリューションの販売を推進する専門部署を、今年後半に新設する予定である。専門部署の設立に先立って、パートナー向けの情報提供や研修プログラムを、6月から段階的に始動する。

 パートナー向けの施策としては、情報提供や研修、協業マーケティングといった販売面での施策に加えて、パートナーが提供するソフトとSAP製ソフトの機能連携を後押しする。例えば、文書管理ツールや各種解析ツール、ERP(統合基幹業務システム)パッケージといった製品と、CCを始めとするSAPのGRCソリューションが連携できるよう、技術情報を開示していく。