会見に臨んだ、NECの矢野薫社長(左から2人目)と米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO(同3人目) NECの小林一彦取締役執行役員専務、マイクロソフト日本法人のダレン・ヒューストン社長も同席した
会見に臨んだ、NECの矢野薫社長(左から2人目)と米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO(同3人目) NECの小林一彦取締役執行役員専務、マイクロソフト日本法人のダレン・ヒューストン社長も同席した
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 NECと米マイクロソフトは5月24日、「ITとネットワークの融合」を目的に、企業向けIPテレフォニー、ネットワーク、サーバーの領域で協業を拡大すると発表した。会見には、NECの矢野薫社長と米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)のほか、NECの小林一彦取締役 執行役員専務、マイクロソフト日本法人のダレン・ヒューストン社長が同席した(写真)。

 NECの矢野社長は、「従来のネットワークの領域を超え、今ではデータだけでなく音声やビデオなど、すべてがIPベースでやり取りされるようになっている。これまで両社は、パソコン/サーバー分野で提携し、業界を牽引してきた。今後はコンピュータとネットワークを統合させていくことが両社の使命だ」と述べた。また来日した米マイクロソフトのバルマーCEOは「NECとの長年の協力関係を一層強化していく」と話した。

 両社が今回、「ITとネットワークの融合」という観点の協業で、まず挙げたのは、NECのIPテレフォニー・サーバー「UNIVERGE SV7000」とマイクロソフトのコミュニケーション用サーバー「Office Live Communication Server 2005」の連携。開発から販売まで全面的に協力関係を結ぶ。既に両社は今年5月15日に両製品を連携させるミドルウエアを発表済みだ。また音声やビデオの品質向上を図るための技術開発でも協力する。

 高性能サーバー分野でも技術協力する。具体的には、NECと米ユニシスが共同開発している次世代サーバー、NECと米ストラタステクノロジーが共同開発する無停止型サーバー上で、マイクロソフトのサーバー用OSを稼働させる。これに伴い、NECなどが開発した技術をマイクロソフトのOSに盛り込むなどする。

 さらに、ストレージ性能の向上も図る。マイクロソフトが開発中のサーバー用OS「Windows Compute Cluster Server 2003」を搭載した高性能サーバーと、NECのストレージ・システム「GFS(グローバル・ファイル・システム)」を接続し、システムのスケーラビリティ向上を図る。

 なおNECと米マイクロソフトは、ITとネットワークの融合やマルチメディアの高度化には、両社の持つ特許が不可欠と判断。特許をクロスライセンスすることでも合意した。