一番手前がホワイトモデルで、その横がブラックモデル
一番手前がホワイトモデルで、その横がブラックモデル
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 アップルコンピュータは2006年5月16日、インテルのデュアルコアCPU「Core Duo」を搭載した13型液晶のノートパソコン「MacBook」を発表した(関連情報)。米アップルコンピュータのワールドワイド ハードウェア プロダクトマーケティング担当副社長のデビッド・ムーディ氏にMacBookの特徴などを聞いた。

■Core Duoを搭載したMacBook Proも出荷しているが、両者の違いは?

最も異なる点はグラフィックス性能だ。MacBook ProがカナダATIテクノロジーズの「Mobility Radeon X1600」をグラフィックスチップとして搭載しているのに対して、MacBookはインテル製チップセットの内蔵グラフィックス機能を採用している。ほかにもMacBook Proは最大30型の「Apple Cinema HD Display」に接続できるが、MacBookは最大23型までといった違いがある。MacBook Proは映像の専門家や科学者向けの製品で、MacBookはより広い一般ユーザーを対象にしている。

■iMacやMac miniはインテル製CPUを採用してもデザインの変更はほとんどなかった。今回は既存のiBookから大きくデザインが変わったが、その理由は?

iMacやMac miniはインテル製CPUを搭載する前の時点で、新しいデザインに変わっていた。MacBookの従来機種に当たるiBookや12型液晶のPowerBookは、デザインの変更をしばらくしていなかったので、新デザインを採用した。MacBookのホワイトモデルはiBookに似てはいるが、デザインは一から見直している。

■デザインで最も力を入れた点は?

薄さを重視するために全ての部品を見直した。特にバッテリーはiBookやPowerBookで採用していたリチウムイオンから、より薄型化が可能なリチウムポリマーに変更した。光学ドライブは、少し厚くなってしまうが、使いやすさを考慮してスロットイン方式を採用した。

■ブラックモデルは最近のアップルのラインアップではめずらしくないか?

以前PowerBookでもブラックモデルを投入したことがある。MacBookのブラックモデルは見た目がクールで、ユーザーに気に入ってもらえると思う。ツヤのあるホワイトモデルと異なり、ブラックモデルは落ち着いた仕上がりになるようにマットコーティング処理をしている。安価に済ませるならコーティング後に黒く塗るが、MacBookのブラックモデルは元々黒い素材を使っている。そのため傷が付いても、その部分の色がはげることはない。端子の穴やネジも、黒で統一している。

■光沢タイプの液晶を採用したのはなぜか?

市場の動向を調査しているなかで、これまでも光沢液晶の採用は検討していた。しかし、反射の問題があったので、採用しなかった。今回、低反射タイプの液晶を採用することで、製品化に踏み切った。光沢タイプの液晶は、DVDソフトやデジカメで撮影した画像を見るときに効果があると思う。

■Core Duoを搭載したWindowsノートと比較して、MacBookが13万円台からというのは低価格に思える

MacBookは一般のユーザーに広く使ってもらうために、13万円台からという戦略的な価格にした。Core Duo搭載にこだわったのは、「Mac OS」や「iLife'06」といったMacならではのリッチなアプリケーションを快適に使ってもらうためには、パフォーマンスは妥協できないという思いがあったからだ。