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 「Skypeはもうからないとよく言われるが、連携によって事業モデルが拡大するし、既存サービスの付加価値向上につながる」。こう語るのは、フュージョン・コミュニケーションズの平山義明社長補佐室長(写真)。同氏は、5月18日と19日に東京・池袋で開催中の「IPテレフォニー&ケータイ ソリューション2006」(IPTK)で、「Skypeとの連携が生み出すFUSION IP-Phoneの新たなチャレンジ」と題した講演を行った。

 平山室長は、同社のIP電話サービス「FUSION IP-Phone」と、無料IP電話ソフト「Skype」との連携について説明。約1年前からSkypeとの連携を図ってきたが、当時の様子を「当社はIP電話サービスの品質にずっとこだわってきたが、初めてSkypeを使った時には品質の良さに、すごいなと驚いた」と明かした。

 品質がよく、企業のネットワーク環境に依存せずにつながるというSkypeのメリットは大きい。しかし、企業向けにサービスを提供するには、いくつかの課題があったという。それは、(1)ポリシーに沿った運用、(2)一般電話との接続、(3)モバイルによるSkype通話、(4)一般ユーザーが抵抗なくSkypeを導入できるような周辺機器 ---であり、それぞれが実現できるかという問題だ。特に、「集中管理やソフトのメンテナンス、セキュリティ対策などが必要だと考えた」と語る。

 この問題を解決すべく同社はそれから1年後の今年2月、Skypeでも050で始まる電話番号で着信できるようにするサービス「Multi-Gateway for Skype」をトライアルで開始した。一般電話との接続を果たしたわけだ。さらに、Multi-Gatewayの上位サービス「Admin」では、管理者が複数のユーザーを一括で運用、管理できるようにした。

 「パソコンにつなぐ受話器やSkypeが使える携帯電話端末など周辺機器も充実している」。当初の課題は徐々に解決しつつあり、フュージョンはSkypeのさらなる活用を進めている。Skypeを使った外線発信サービスもその1つ。また、「社内や外出中、休暇中といったような社員の状況に応じた電話の転送先にSkypeを加えるといったソリューションも提案していく」という。