写真 ボーダフォン・グループのアルン・サリーンCEO(左)とソフトバンクの孫正義社長(右) 孫社長が手にしているのは,5月27日に発売予定のシャープ製ワンセグ対応携帯電話「Vodafone 905SH」
写真 ボーダフォン・グループのアルン・サリーンCEO(左)とソフトバンクの孫正義社長(右) 孫社長が手にしているのは,5月27日に発売予定のシャープ製ワンセグ対応携帯電話「Vodafone 905SH」
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 ソフトバンクは5月18日,今後の携帯電話戦略について発表会を開いた。最初に発表したのは,英ボーダフォン・グループとの戦略的提携(写真)。ボーダフォン・グループとソフトバンク・グループが約55億円ずつ出資し,合弁会社を設立する。ボーダフォン・グループのアルン・サリーンCEO(最高経営責任者)は,「モバイルのリーディング・カンパニーである我々とインターネットのリーディング・カンパニーであるソフトバンクが手を組むことで,新たなイノベーション(革新)を起こす」と抱負を語った。

 合弁会社設立の狙いは,(1)携帯電話端末の共同開発・調達,(2)モバイル・ポータルと基盤ソフトウエアの共同開発,(3)コンテンツの共同調達・配信の三つ。(1)は全世界で約1億7000万人の顧客を抱えるボーダフォン・グループと共同で端末を調達することで,端末コストの低減を図る。ボーダフォンはかつて,世界共通プラットフォーム戦略を採り,日本のユーザーに受け入られなかった経緯がある。しかし今回の提携は,「日本のユーザーにあった端末を出すのが大前提。ユーザー・インタフェースなどは,それぞれの国の事情に合った形で最適化して提供する」(ソフトバンクの孫正義社長)。共通化するのは,ハードウエアのコア部分が中心になる。

 (2)と(3)は,ブロードバンド・コンテンツを配信するための新しいプラットフォームを共同開発し,その上で提供するニュースやスポーツ,ドラマといったコンテンツを共同で調達する。最終的には「インターネットにおける『Yahoo!』や『Google』のポジションを,モバイル・ポータルで獲得する」(孫社長)ことを目指す。

 発表会の後半では,「ボーダフォン」に代わる新社名と新ブランド名を発表した。社名は「ソフトバンクモバイル」,ブランド名は「ソフトバンク」に変更する。社名の変更は10月1日。ロゴもソフトバンクと共通になり,店舗やパンフレット,端末のロゴを10月末をメドに徐々に切り替えていく。

 新しいブランド名に関して孫社長は,「いろいろ迷った。当初は2000以上の名前が候補に挙がった。外部顧客や社内でアンケートを実施し,最終的に勝ち残ったのがソフトバンク」という。また「ソフトバンクの国内における知名度はかなり高まっている。携帯電話事業に不退転の覚悟で取り組むことをコミットするという意味でも,ソフトバンクそのものをブランドとして使うことに決めた」とする。