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 ボーダフォンは、携帯機器向け地上デジタル放送「ワンセグ」の視聴機能を持つ第3世代携帯電話(3G)端末「Vodafone 905SH」を2006年5月27日に発売する(PDF形式の発表資料1)。開発はシャープで、同社の家庭用テレビのブランドである「AQUOS」を冠し、「AQUOSケータイ」の愛称で販売する。実勢価格は3万円弱の見込み。

 KDDIの「W33SA」(三洋電機製)と「W41H」(日立製作所製)、NTTドコモの「FOMA P901iTV」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)に続き、ワンセグ対応の携帯電話機としては4製品目。これで国内の携帯電話事業者3社のワンセグ対応機が出そろったことになる。

ディスプレイ部が回転、横向き画面で視聴可能

 ディスプレイ部は90度回転し、横向きにしてテレビ映像を視聴できる。回転機構は単純に1点を支点として回転するのではなく、いわゆるサイクロイド曲線の軌跡を描くように回転する機構を開発した(右の写真)。これにより、ディスプレイ部を横向きにした状態でも、ディスプレイ部がヒンジ部に密着するため、重心が下がり安定性が増す。その結果、クレードル(台座)などを使うことなく、同製品を机の上に置いて横長の画面を視聴可能になった。

 ディスプレイ部を縦向きから横向きに回転させると、それに合わせてテレビ視聴用のアプリケーションソフトウエアを自動起動する仕組みを採っている。これにより、映像表示までの待ち時間を短縮したとしている。また、縦向きの画面でテレビ放送を視聴することも可能で、その場合はテレビを視聴しながら音声通話をしたり、電子メールを編集・送信することができる。テレビ放送の音声に代えて、番組の字幕を表示する機能も備える。

 ワンセグに加え、地上アナログ放送とFMラジオ放送の受信も可能。ワンセグ受信時の連続視聴時間は最大4時間で、これまでに量産出荷されているワンセグ端末4機種の中で最も長い。「照度センサーを内蔵し、外光の明るさに応じてバックライトの輝度を調整することなどで長時間の視聴を実現した」(ボーダフォン)という。地上アナログ放送の連続視聴時間は約1時間。

メモリーカードを挿し込めば、長時間の録画も可能

 テレビ番組の録画機能を備えており、別売のminiSDカードを同製品に挿し込めば、miniSDカードへ録画することもできる。録画時間は、1GBのminiSDカードの場合で5時間20分となる。また、プリインストールされている電子番組表(EPG)ソフトウエアを用いて、番組の予約録画ができる。他社のワンセグ対応の携帯電話機でも録画機能を備えたものはあるが、メモリーカードを記録媒体として利用する機能や、EPGによる録画機能は初めてとなる。ただし、miniSDカードに録画した番組をパソコンなどで読み出すことはできない。

 2.6型のモバイルASV(Advanced Super-View)液晶ディスプレイを備え、画素数は400×240ドット。このほか、202万画素のCCDカメラ、非接触型ICカード「FeliCa」機能、BluetoothとIrDA規格準拠の赤外線通信機能、USB端子などを備える。

 このほか同社は、3G端末3機種とPDC端末1機種を夏商戦向けに順次投入することを明らかにしている(PDF形式の発表資料2)。また、プリペイド専用の携帯電話機や法人向けの無線LAN対応携帯電話機を発売することも発表した(PDF形式の発表資料3発表資料4)。