Azul Compute Appliance
Azul Compute Appliance
[画像のクリックで拡大表示]

 CPU処理能力をネットワーク経由で提供する米Azul Systemsは,CPUアプライアンス「Azul Compute Appliance」のシステム・ソフトウエアをバージョンアップしたことを2006年5月17日に発表した。Javaのガベージ・コレクションにかかる時間を短縮する機能を強化したという。

 Azul Compute Applianceは,マルチコアのCPUとメモリーで構成するネットワーク接続型のCPUアプライアンス。Java APサーバーのJavaVM(仮想マシン)からJavaの処理依頼を受け,結果をAPサーバーに返す。CPU処理能力をネットワーク経由で提供することで,APサーバーの性能を容量設計する必要がなくなる。

 従来から,使われないオブジェクトをヒープ領域(メモリー)から開放するガベージ・コレクション(GC)にかかる時間を削減するハードウエア回路を持っていた。今回新たに,約200Gバイトと広大なヒープ領域を取るとともに,GCの時間を減らす機能を強化した。

 Javaアプリケーションは,GCの時間をいかに減らすかが重要である。GCによって業務が停止する時間を減らすというわけだ。一般に,ヒープ領域を大きく取ると,GCの頻度が減るが,1回のフルGCにかかる時間が長時間になってしまう。一方で,ヒープ領域を小さく取ると,1回のGCにかかる時間が少なくて済むが,頻ぱんにGCが起こる。