「IPテレフォニー&ケータイ ソリューション2006」(IPTK)では、約40社が出展する。IP電話や携帯電話を活用する製品/サービスやソリューションが集う。「ワークスタイルの革新」を実現するソリューションから小規模向けのIP電話システム、コンタクト・センター向けのソリューションなど多彩な展示、デモンストレーションが予定されている。

 無料のIP電話ソフト「Skype」、オープンソースのIP電話サーバー「Asterisk」を活用するシステム、開発ツールやトラブル・シューティング・ツールなどもチェックしたい。

ワークスタイルの革新を具現化

 IP電話や携帯電話といったコミュニケーション・ツールを活用して、ワークスタイルを革新、そして業務効率を向上する。そのためのソリューションがそろう。たとえば、NECでは、業種、業務に応じたブロードバンドオフィスを披露する。日立製作所は「CommuniMax IPテレフォニーソリューション」を核に、グループを挙げてビジネス・コミュニケーションを活性化するソリューションを紹介する。富士通のブースでは、オフィスの現場や営業の現場などでの具体的なシステム利用シーンからオフィス・イノベーションを体感できる。シスコブースでは、「シスコ ユニファイドコミュニケーション」を、主に「ユーザモビリティの向上」と「デスクトップ環境の革新」をポイントに紹介する。

 また、マイクロソフトは、「プレゼンステージ」で、パートナー企業との連携ソリューションを紹介する。KDDIの3G/無線LANデュアル端末を利用してユニアデックスは、屋内外問わずシームレスなロケーション・トラッキングを実現する「AiriP」を披露する。

APIやコンポーネントを活用するソリューション

 沖電気工業は同社のサーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100」を中心にしたソリューションを紹介。SS9100はAPI(Application Programming Interface)を公開しており、それを利用したソリューションをパートナー各社がデモを用意する。

 スカイウェイブの「SkyIP-PBX」は、コンポーネントで構成するIP-PBXである。アプリケーションに音声通信機能を組み込めるTalkAgentなどを用意している。

スモール・オフィス向けのIP電話システムも

 アイコムはスモール・オフィス向けの「ビジネス用IP電話システム」を紹介する。オールインワンタイプの無線IP電話ルーターを親機とし、NTTドコモのFOMA/無線LANデュアル端末も利用できる。加賀電子もスモール・オフィス向けのシステム「セラザ(Selaza)」を展示する。1台でインターネットや電話、パソコン、FAX、プリンタなどを接続して使える。ipeenは、LANと電源があれば、すぐに利用できるIP電話サービスを紹介する。

無料ソフトをベースに

 無料のソフトフォンとして注目を集めている「Skype」を、企業で利用するためのソリューションが集まる。フュージョン・コミュニケーションズは、Skypeで050番号を使えるようにするサービス「Multi-Gateway for Skype」などを紹介。周辺機器なども展示する。

 また、ゼッタテクノロジーは、企業でのSkype導入を支援する運用管理システム「オフィスデ for Skype」、ソフィア総合研究所は、Webからのクリック問い合わせに対し、PBXの様に一斉着信を受けつけたりできる「ePBX for Skype」ASPサービスのデモを実施する。

 バッファローは、電話会議を低コストで実現できるカンファレンスフォンや高機能なハンディフォンタイプのUSB接続対応ハンドセットなどを展示。マイスターズ コーポレーションのBeltre(ベルトレ)は、Skypeで、保留・転送や同報着信、代表着信などを実現するソフトウエアである。

 一方、オープンソースのIP電話サーバー・ソフト「Asterisk」をベースとしたIP-PBXソフトウエア「InfiniTalk」をターボリナックスが展示する。ユーザー管理などのためのWebGUIやGoogle Mapとの連携などのデモを実施する。また、ASPは、Asterisk専用のIP電話機「AsterTel」を展示。

スマートフォンやPDAをビジネスに活用

 ウィルコムは、W-SIMを活用した「WILLCOM W-ZERO3」などによるビジネス・ソリューションを展示。沖電気では、W-ZERO3やPDAでのソフトフォンを使いIP電話や業務アプリケーションを体験できる。マイクロソフトでは、Windows Mobile対応クライアントやLive Meetingなどを実際に操作することができる「タッチ&トライコーナー」も用意する。

コンタクト・センターにIP電話

 顧客の窓口として重要なコンタクト・センターとIP電話の組み合わせは、愛称がよい。IP電話のさまざまな特徴が、コンタクト・センターの効率やサービスの向上につながるからだ。

 沖電気は、FOMAのテレビ電話を活用する「CTstage 4i ビジュアル・コンタクトセンター」を展示する。従来の音声のみではできなかったサービス・メニューを画面に表示でき、顔が見える顧客対応や言葉だけでは伝えにくい商品説明の効率化が可能とするソリューションである。

 ジェネシスは、IPコンタクト・センター・ソリューションとして、既存のPBX環境とIP環境を共存させるハイブリッド・タイプ、IP-PBXのみで構築するピュアIP・タイプ、そしてSIP対応のOpenIPタイプを出展する。日立は、コンタクト・センターとオフィスのシームレスな連携で顧客満足度向上を追求したコミュニケーション環境を提供する。また、日本証券テクノロジーやジェイリンクもコンタクト・センター・ソリューションを披露する。日本プラントロニクスは、コンタクト・センター向けのヘッドセット・ソリューションを紹介。

会議アプリにも注目

 Web/テレビ会議は、IP電話システムの定番アプリケーションといえる。たとえば、ネットワンシステムズは、音声/ビデオ/Web会議を統合する会議ツール「Cisco MeetingPlace」、それからWeb会議システム「Click to Meet」と3G Gateway「SCOPIA」の連携を披露する。後者は社内外どこからでも会議に参加できるソリューションである。住友商事マシネックスは、中小希望向けの音声会議システムを出展。無線IP電話や構内PHSなども利用した音声会議を実現する。

開発ツールなども出展

 IP電話や携帯電話を活用するシステムの開発のためのツールも展示される。ダイアログは、製品企画からソフト/ハードの開発など、すべてのフェーズにわたるサポート・ソリューションを提供する。ビジョンワークス(旧LiCROSS)は、携帯電話向けに作成されたサイト・アプリなどの実機によるデバッグ支援「モバイル検証サービス」を紹介する。セイコーエプソンはIPネットワーク接続機器として、「SIPを組込んだビデオドアフォン開発ボード」「動体検知機能を内蔵したネットワークカメラ開発ボード」「ネットワークを通して“話す”音声合成(TTS)ソリューション」のデモンストレーションを実施する。

 東陽テクニカは、IP電話の構築・トラブルシューティングに役立つアナライザと音声品質事前検証ツールを出展。リアルタイムでIP電話の通信フローを見ることができ、迅速なIP電話の障害対応を支援するツールである。このほか、音声録音に特化した音声録音サーバー「Audiolog」をマーコムジャパンが出展する。