ジェーシービー(JCB)は5月15日、元社員が情報システム関連資産の不正な取引を行っていたと発表した。被害額は2002年7月から05年10月までで、総額5億5000万円に上る。この社員は05年に死亡退職しているという。

 JCBは06年1月、問題を引き起こした社員が社内の決済手続きとは異なる物品を発注していたことを把握した。具体的には、同社員は必要書類を偽装し、システムやソフトウェア・ライセンスなど無形の資産を購入したことにしていたが、実際には、その代金でパソコンのハードウェアを購入していた。しかし、そのパソコンはJCB社内には存在しておらず、「元社員が私的に取得したものと思われる。パソコンをどのように処分したのかは不明」(JCB)としている。

 今回の問題を受けJCBは、決済書類の追加やチェックの強化、資産管理の強化、取引先管理の厳格化などを実施する。JCBは元社員の不正取引に外部の人物がかかわっていた可能性が高いとして、刑事告訴の準備をしている。