NTT東西地域会社の2005年度決算は,どちらも減収減益となった。NTT東日本は営業収益が2兆1253億円(前年度比2.5%減),営業利益は659億円(同24.9%減),NTT西日本は営業収益が2兆296億円(3.3%減),営業利益が320億円(54.3%減)と,両社ともに大幅減益である。

 原因は,携帯電話やIP電話へのシフトが進み,音声伝送(電話)収入の大幅減に歯止めがかからないこと。音声伝送収入だけで,それぞれ前年度より1073億円,1096億円減った。さらに2006年度もこの傾向は続き,トータルでも減収減益が続くとの予想である。

 ただし両社とも,フレッツ系サービスや広域イーサネットなどのIP系収入は堅調な伸びを見せている。東日本が前年度比28.1%増の2708億円,西日本が同27.3%増の2296億円と,いずれも大幅増収。西日本の場合は,IP系収入が初めて2000億円を超えた。

 なかでもFTTH(fiber to the home)サービスのBフレッツは順調。東日本では,年間100万回線の純増を達成し,契約者数は189万となった。2006年度に150万の純増を見込む。西日本も,昨年6月に月間純増数がフレッツ・ADSLを超え,年度末には契約者数は150万を突破した。

 一方,同時に発表されたNTTコミュニケーションズの決算は,営業収益が1兆1278億円と前年度比278億円(3.5%)増となった。専用線やフレームリレーなどのデータ通信収入が,IP系サービスへのシフトの影響で減ったものの,それ以外の音声伝送収入,OCNや広域イーサネットなどのIP系収入,ソリューション収入はいずれも前年度比で7~10%増加した。

 IP系サービスでは,OCNの契約数が529万に達した。IP-VPNは回線数が9万8000(前年度比5000増),売上高が687億円(同56億円増)。広域イーサネットは回線数が2万8000(6000増),売上高が435億円(85億円増)だった。