TISは5月12日、2006年3月期の決算説明会を開催した。連結の売上高は前年比5.1%増の2099億2200万円。営業利益は、前年比22.9%減の115億6700万円となった。経常利益は20.6%減の119億9500万円、純利益18.8%減の58億9200万円である。

 説明会の冒頭で岡本晋社長は、「みなさまのご期待に添えない決算で申し訳ない」と謝罪した。これは今期、不採算案件により大幅な減益になったことを受けたもの。2005年度上期に製造業、サービス業の大型SI案件で手戻りや追加作業が発生し、TIS単体で27億円の赤字が発生した。このほかにも子会社の一部で不採算案件があった。一方、売上高は、昨年4月に連結子会社化した旭化成情報システム(2006年4月1日にAJSに社名変更)の売り上げに加え、大型開発案件の受注があったことから増収となった。

 説明会では、同社が3年前から開発を手がけているジェーシービー(JCB)の次期基幹システムの開発プロジェクトについて質問が集中した。5月11日に、JCBが次期基幹システムの一部稼働延期を発表したからだ。2006年夏に稼働を開始する予定だった、加盟店管理システムが来年春に稼働延期になった。

 この影響について、岡本社長は「加盟店管理システムでは、JCBと加盟店の間で営業交渉が入る関係で仕様が大きく膨らんでしまった。増加分のコストを算定して、その負担をJCBと当社でほぼ折半するということで話し合いはついている」と話す。TISは同システムの稼働延期が、20~30億円の減益をもたらすことになる想定して、今期の業績見通しを作成した。

 また同社は今後中国やベトナムでのオフショア調達を拡大する。2005年度は中国、ベトナムを併せて2400人月だったが、2008年度は6000人月まで引き上げる。2008年度は中国で400人、ベトナムで100人の体制にする。これらの施策により、08年度は05年度に比べて5億円のコスト削減を計画している。