写真 NTTグループの決算説明会で説明するNTT持ち株会社和田紀夫社長
写真 NTTグループの決算説明会で説明するNTT持ち株会社和田紀夫社長
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 5月12日のNTTグループの決算説明会でNTT持ち株会社和田紀夫社長が,竹中平蔵総務大臣が主催する「通信と放送の在り方に関する懇談会」(竹中懇)の議論についてコメントした。

 和田社長は「結論が出ていない状況では,コメントしようがない」としながらも,「懇談会のまとめを見て,もし受け入れられないものがあれば,明確に主張する」と懇談会の結論を待ってNTTグループの意見を打ち出す構えを見せた。さらに和田社長は,「NTTは中期経営戦略を進めるために,規制緩和をお願いしている。それが議論の外に置かれて,別の方向の議論が進んでいることに戸惑っている」と発言。竹中懇で進む議論の方向性にけん制球を投げた。

 また,竹中懇でNTTのアクセス部門を英BTのように機能分離する形が議論されていることにも言及。BTがADSLの普及を目的にメタル回線をアンバンドルしたのに対し,日本は今後敷設する光ファイバについて機能分離が議論されていることなどを理由に挙げながら「BTと同じ方式なら到底納得できない」と主張した。

 なお竹中懇は5月9日開催した第11回会合で,NTTのあり方について「最低でもアクセス部門を機能分離することで合意した」(座長を務める松原聡東洋大学教授)。次回の竹中懇は5月16日の予定で,積み残した論点を議論する。竹中総務大臣は,「懇談会で合意した内容は,可能な限り『骨太方針』に盛り込みたい」との考えを示している。