Tacit
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 米Packeteerの日本法人であるパケッティアジャパンインクは,帯域制御装置「PacketShaper」に加え,今後はWAN経由でのファイル・アクセスを高速化するアプライアンス装置「Tacit」を製品ラインアップに追加する。価格や出荷開始時期は未定。Tacitは,米Packeteerが2006年5月9日に7800万ドルで買収した米Tacit Networks製品である。

 当初はTacitブランドで出荷するが,いずれはPacketeerブランドに統合する。TacitブランドでのTacitの国内販売は初となる。同一機種は,SANスイッチ大手の米Brocade Communications SystemsにOEM供給しており,国内では東京エレクトロンが「Brocade Tapestry WAFS」として販売している。パケッティアジャパンインクはTacitをPacketShaper同様に代理店経由で販売する。代理店は,兼松エレクトロニクスや日商エレクトロニクスなど。

 TacitはWindowsが稼働するPCサーバー機をベースとしたアプライアンスである。製品ラインアップは3種類を用意している。大規模/中規模向けのTacit,小規模向けの「Tacit mini」,モバイル端末用ソフトウエアの「Mobility」である。これらのWAFS(Wide Area File Services)装置で,遠隔拠点から本社のデータ・センターのデータにアクセスする際に,ファイル・アクセスを高速化する。遅延の大きなWAN回線を,遅延の小さなLAN並みの快適さで使えるようにするのが狙い。ファイル・アクセス用プロトコルは,Windowsファイル共有のCIFSやUNIXのNFSに対応する。

 今回の米Tacit Networksの買収は,WAN高速化機能を拡張するもの。2004年12月にはWAN高速化装置「SkyX Gateway」を開発した米Mentatを買収している。SkyX Gatewayは特定アプリケーションに拠らないTCP通信全般を高速化する装置であり,同機能は帯域制御装置新版の「PacketShaper 8.0」に実装済み。今回,WAFS装置のTacitを買収したことにより,TCP通信全般とファイル共有の両面で,WAN高速化の機能を拡充した。