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【特別インタビュー】
「失ったものを取り戻したい」---任天堂岩田社長が「Wii」に込めた想い

2006/05/12

 任天堂が年内に発売予定の新型ゲーム機「Wii」を披露した。従来のコントローラを刷新し,コントローラを上下左右に動かすと加速度センサーが感知してキャラクターを操作できるユーザー・インタフェースを可能にした。携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の大ヒットを追い風に,据置型ゲーム機の世界でもユーザー・インタフェース革新をもたらす。同社トップの岩田氏がWiiに込めた想いを余すところなく語る。(聞き手は浅見直樹=ITpro発行人,蓬田宏樹=シリコンバレー支局)


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---なぜ,ユーザー・インタフェースが重要だと考えるようになったのですか。

岩田氏:任天堂は,どうやったらゲームを楽しんでくれるユーザーを増やせるか,この命題に数年間,挑み続けています。私も技術屋なので,技術を否定する気はまったくない。新しい技術が出て,それを応用するのはすごいことだと思う。ただ,もっと絵がきれいになっても,これ以上ゲームをやる人は増えないと危機感を覚えた。それじゃ,どうすればよいか。そこで目を付けたのが,ユーザー・インタフェースだった。

---20年続いたコントローラを変えるのは,勇気がいる決断だったのではないでしょうか。

岩田氏:今のコントローラの標準形状を決めたのは任天堂ですからね。両手で持ち,十字ボタンで制御するのは任天堂が提案し,それをユーザーが受け入れてくれたので業界標準になったという歴史がある。自分で決めた標準を自分で壊すわけだから,社内でも反対の声があった。本当に大丈夫なのかと。ただ,今から13カ月前,出来上がった試作機に触れてみて,実際にデモのゲームを操作してみて,「これなら行ける」と手ごたえ得た。触ったからこそ分かる自信が裏づけとなって,昨年のE3で私は「革新的なインタフェースというのが,これからのゲームを変える」と宣言したわけです。

■ 試作品なら山ほど作った

---すんなりと,この形状に決まったのでしょうか。

岩田氏:実はずいぶん前から,新しいユーザー・インタフェースを開発するプロジェクトに取り組んでいました。3年くらい前に要素技術の研究に着手し,2年前にタスク・フォースのチームを結成した。任天堂の本社にはソフトウエアとハードウエアの開発チームがあるが,その両方がいっしょになって毎週のように会合を開き,「あぁでもない」「こうでもない」と模索を続けてきた。

 インタフェースの世界は,スペックを追い分けるのとは違って,どう感じるかがポイントなので,試してみないとわからない。「こんな要素技術があるけれど応用できないか」「こんなのを作ってみたけれど使い物になるか」など,山ほど試作品を作ってみた。最初は作っては捨て,作っては捨て・・・の連続だった。

 やはり,20年間使ってきたコントローラが比較対象になるので,新しいアイデアが出ても,その悪いところばかりに目が行ってしまい,ついつい否定が先に立つ。そしてようやく,1年前に,この形に落ち着いた。既存の発想を壊して,新しいアイデアを育むのは容易なことではないですね。

---コントローラにスピーカーがついているのはなぜですか。

岩田氏:これは1年前の試作機にはなく,比較的最近になって付けた機能です。ゲーム側からユーザーに,どういうフィードバックを戻すべきかを検討した。今は振動しかないわけですが,そこに音を持ち込んだらどうかと考えてみた。5.1チャネルのスピーカーが装備された家庭であれば臨場感ある音を楽しめるのは確かだが,すべての家庭にそうしたオーディオ設備があるわけじゃない。ならば,コントローラにスピーカーが付いたらどうなるか。例えば卓球,テニス,ゴルフの際に打球音が手元から出てくる。実際,試してみると,なかなか楽しい。

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