日立製作所の電子ペーパー技術を採用したA4サイズのディスプレイ「Albirey」
日立製作所の電子ペーパー技術を採用したA4サイズのディスプレイ「Albirey」
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 日立製作所は5月11日、電子ペーパー技術を採用したA4サイズのディスプレイ「Albirey」と、Albireyを使った広告やコンテンツの配信システムを発表した。

 電子ペーパーとは、薄型ディスプレイ技術の一つで、プラス、マイナスに帯電した黒、白のトナーに電圧をかけることで文字や画像を表示できるようにするもの。トナーを使って文字や画像を表示するため、通常の紙に近い表示を実現できる。また、電力を消費するのは書き換え時だけなので、消費電力は極めて低い。今回、日立はブリヂストンの電子ペーパー技術を採用してAlbireyを開発した。

 Albireyの画面サイズは13.1インチで解像度は1024×768ドット。コントラスト比は1:7で、2値のモノクロ表示となる。ディスプレイにはバッテリー(リチウムポリマー電池)を備え、1時間に1回の書き換えで100日間駆動できる。また、IEEE802.11bの無線LAN機能を搭載し、コードレスでコンテンツのデータを送ることが可能だ。重さは580g。

 同社は、Albireyをディスプレイ単体で販売せず、コンテンツ配信サーバーや無線ルーターなどをセットで販売する。ディスプレイ10枚にサーバーなどをセットにしたエントリーモデルは400万円から。5月12日に販売を開始し、7月に出荷する計画だ。電車や駅などの交通分野、ホテルなどの都市分野、公共、流通分野などに売り込みをかけ、5年後の2010年には年間100億円の売り上げを目指す。

 今年末までにはA3サイズを試作する。また、赤、青、緑といった2色表示のA4サイズの電子ペーパーは試作済みで、今秋から冬にかけて出荷し、来年の夏にはA3サイズも出荷する予定だ。

 さらに、今年7月には8~64色のカラー表示可能なA4サイズの電子ディスプレイを試作する。来年7月にはA4サイズの量産を、来年末以降にはA3サイズの量産を開始する。