イー・アクセスは5月11日,2006年3月期(2005年4月から2006年3月まで)の決算を発表した。携帯電話事業を手がけるイー・モバイルとの初の連結決算で,売上高は603億5000万円,営業利益は93億8000万円,経常利益は75億3000万円となった。

 このうちADSLおよびISP事業の業績は,売上高が前期比4.2%増の603億5000万円,営業利益が同25.5%増の116億8000万円,経常利益は26%増の101億7000万円となった。一方,モバイル事業では,立ち上げ費用が発生し,営業損益23億円,経常損益26億4000万円を計上した。

 決算説明会では,モバイル事業の計画について言及。同事業を実現するためのネットワーク構築を「今期の最重要課題」(種野晴夫イー・アクセス代表取締役社長兼COO,イー・モバイル代表取締役社長)とした。既に,モバイル事業のために3500億円の資金調達を終え,現在,置局設計や用地買収を進めている。設備投資として,2012年3月期までに約2500億円をかける計画だ。

 このインフラを基に,2007年3月に東名阪でHSDPA(high speed downlink packet access)によるデータ通信サービスを開始する。2008年3月には,より広範で(設備の整備状況による)音声サービスを始める。「サービス開始から5年以内に500万加入,年間売上高3000億円を目指す」(種野社長)。

 また同日,イー・アクセスは次期代表取締役社長の内定を発表した。安井敏雄・取締役が,6月22日の株主総会と取締役会の決議後に代表取締役社長兼COOに就任する。現社長の種野氏は,イー・アクセス取締役とイー・モバイル代表取締役社長の兼任となり,事実上,モバイル事業立ち上げに専念する。