ADSL事業者のアッカ・ネットワークスは2006年5月11日、次世代無線技術「モバイルWiMAX」を活用したIP電話サービスの実証実験を8月下旬にも開始すると発表した。実験では、通信事業者フュージョン・コミュニケーションズと協業。IP電話サービスがモバイルWiMAX上で提供できるか、技術的に検証する。実験に先駆けアッカは、6月にも神奈川県横須賀市でモバイルWiMAXの基礎試験を始める。

 モバイルWiMAXは無線LANを拡張した最新技術で、2005年12月に標準化された。1本のアンテナで数kmをカバーできるため、通信事業者は携帯電話に近い使い勝手のサービスを提供できる。電波の利用効率が高く、定額サービスも提供しやすい。最大通信速度は、下り方向で約75Mbps(20MHzの帯域を使った場合の理論値)。携帯電話の代替技術として注目を集めており、KDDIやイー・アクセス、ソフトバンクなども実証実験に取り組んでいる。米インテルは、年内にも対応PCカードを出荷する予定。

 アッカは、今後IP電話以外のアプリケーションについてもモバイルWiMAXの実験環境下で試験したい考え。Webアクセス、ビデオストリーミング、ホームサーバーとの連携などを検討している。