ファイアウォール・ソフト大手のチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは,製品ラインアップを整理して単純化したセキュリティ・ゲートウエイを出荷した。2006年5月10日から,新製品として,VPNファイアウォール・ソフト「VPN-1 Power」と,統合型セキュリティ・ゲートウエイ・ソフト「VPN-1 UTM」の出荷を開始した。希望小売価格はVPN-1 Powerが56万円から,VPN-1 UTMが12万8000円から。開発会社はイスラエルのCheck Point Software Technologies。

 VPN-1 PowerとVPN-1 UTMの2製品は,同社のVPNファイアウォール・ソフトの後継に位置する。VPN-1 Powerは,機能をファイアウォール機能とVPN機能に絞ることで性能を重視した機種。従来製品と比較して約4倍の性能が得られるという。一方,VPN-1 UTMはVPNファイアウォール機能に加えて,ウイルス対策やIDS/IPS,SSL-VPNなど,統合セキュリティ・ソフトとして多機能化を図っている。同社では,本社のデータ・センターなどにVPN-1 Powerを導入し,遠隔拠点にVPN-1 UTMを導入するといった使い分けを想定している。

 2製品は,機能を使うためのライセンスの差異だけでなく,バイナリ・レベルで,高速動作を目的としたVPN-1 Powerと,多機能のVPN-1 UTMの2つに住み分けている。VPN-1 Powerは,ウイルス対策など個々の業務目的別の機能から見ればVPN-1 UTMのサブセットだが,VPN-1 Powerだけが備えるコードもある。高速化をうたうVPN-1 Powerは,VPN-1 UTMと比べて機能を絞っただけでなく,高速化のための特別なコードを持つ。このため,機能を使わないなどの設定をユーザーが施しても,VPN-1 UTMをVPN-1 Power相当の性能で使うことはできない。