野村総合研究所(NRI)は5月8日,Javaや.NETによるミッション・クリティカル・システムの開発・実行基盤製品の新版「オブジェクトワークス R7.5」を発売した。Javaによるバッチ処理を可能にするコンポーネントの追加,Webシステム開発におけるAjax対応,テスト支援機能の追加・強化--などが特徴。

 Javaによるバッチ処理対応では,アプリケーションの実行基盤コンポーネントとして新しく「オブジェクトワークス/BT JobManager」を追加した。同コンポーネントにより「ジョブの実行要求」「ジョブのキューイング」「ジョブの実行情報管理」「ジョブのイベント通知」といった制御機能を持つアプリケーションがJ2EE(Java 2 Enterprise Edition)上で実現できる。現状ではオープン系システムでもバッチ処理はCOBOLで作る場合が多いが,開発要員やプログラムといったリソースをオンラインとバッチで共有しやすくなるなどで,Javaによるバッチ処理のニーズが高まっている。

 Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)対応は,Webシステム開発支援共通基盤機能を提供するコンポーネント「オブジェクトワークス/CORE」に機能を追加して行った。Ajaxを使うことで,利用者の操作性が高いWebアプリケーションを開発できる。

 テスト支援機能の追加・強化は,開発フレームワーク「オブジェクトワークス/STUDIO」「オブジェクトワークス/BLoC STUDIO」で行っている。第一弾として「オブジェクトワークス/CORE」「オブジェクトワークス/BLoC」を活用してビジネス・ロジックを開発する際に,単体テスト・プログラムの作成およびテスト結果の検証支援ができるようにした。単体テストで必要になるビジネス・ロジックのコンパイルを自動実行するなどが可能である。今後もテスト系の機能はさらに強化していくという。

 オブジェクトワークスはNRIが開発した,J2EEおよび.NET Framework環境における開発・実行基盤製品。製品は多数のツール/コンポーネントで構成され,大きく分けて「開発基盤」と「実行基盤」から成る。開発基盤に分類されるコンポーネントはアプリケーション開発フレームワークの機能を担い,プレゼンテーション・ロジック,ビジネス・ロジックや帳票定義体の開発などを支援する。実行基盤に分類されるコンポーネントには,トランザクション制御やセキュリティ・コントロール,システム連携などの機能を実現する各種ミドルウエア・コンポーネントがある。