“押し売り”のために表示される偽メッセージの例(<a href="http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/05outline.html" target=_blank>IPAの情報</a>より引用)
“押し売り”のために表示される偽メッセージの例(<a href="http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/05outline.html" target=_blank>IPAの情報</a>より引用)
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 コンピュータ・ウイルスなどの届け出先機関である情報処理推進機構(IPA)は5月2日,「ウイルスに感染している」といったメッセージを表示して,セキュリティ対策ソフトと称するソフトをダウンロードおよび購入させようとするプログラムやWebサイトに関して注意を呼びかけた

 IPAが警告している手口は,ポップアップやWebページを使って,実際には感染していないにもかかわらず,ウイルスやスパイウエアに感染していると脅かすというもの。そして,駆除したければ,リンクなどをクリックしてセキュリティ対策ソフトと称するソフトをダウンロードしてインストールするよう促す。

 指示に従ってインストールすると,同ソフトをクレジット決済などで購入するまで,購入を促すメッセージを表示し続ける。メッセージが頻繁に表示されるために仕事にならないとして,根負けして購入してしまった事例がIPAには報告されているという。ソフトをインストールしたために,パソコンに不具合が発生した事例も報告されている。

 IPAによると,こういった“押し売り”に関する相談件数は,3月には4件だけだったが,4月には40件に急増したという。

 IPAでは,正規のセキュリティ対策製品の製造者や販売者が,脅しのようなメッセージを一方的に送りつけることはないので,セキュリティ対策ソフトと称するソフトを慌ててダウンロードすることのないよう,注意を呼びかけている。心配なユーザーには,セキュリティ・ベンダーが提供するオンラインのウイルス検査サービスなどを利用するよう勧めている。

 そのほか,スパイウエアに関する相談も依然多いとして注意を呼びかけた。スパイウエアの被害事例を調べると,OSやアプリケーション(ブラウザなど)が表示する警告を無視して,自分でスパイウエアをインストールするケースが多いという。

 「セキュリティの警告」といった画面が表示されたら,ファイルの「種類」や「発行元」などをチェックして,安全が確認された場合以外は「実行」や「実行する」をクリックしないよう呼びかけている(関連記事)。

 同日,IPAは4月中に寄せられたウイルスおよび不正アクセス届け出件数を集計して公表した。それによると,4月中のウイルス発見報告件数は3537件(3月は4270件)で,そのうち実害があったのは5件(3月は4件)だった。届け出件数が多かったウイルスは,Netsky(826件),Mytob(347件),Mydoom(258件)。

 不正アクセスの届け出件数は15件(3月は38件)で,そのうち被害に遭ったのは7件(3月は10件)。被害件数7件の内訳は,不正侵入が5件,DoS(サービス妨害)攻撃が1件,「その他」が1件。不正侵入には,Webサーバーに侵入されて,フィッシング詐欺目的の偽サイト用コンテンツが置かれたケースが1件含まれる。

◎参考資料
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[4月分]について