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 カタログ通販大手のセシールは,電子商取引サイトの再構築に当たり,リッチ・クライアント技術である「Flash」を使ったショッピング・カートを搭載した。Flashによるショッピング・カートを搭載した電子商取引サイトは海外では数例あるが,日本国内では書籍販売の丸善など数例しかない。ショッピング・カートの構築は,電通西日本とエクスペリエンスが担当した。同システムは4月18日から稼働している。

 電子商取引サイトでは,利用者が商品を選択した後,購入者情報を最後まで入力せずに購入手続きを中止してしまう「脱落率」の低減が課題とされている。セシールでは,HTMLベースのショッピング・カートではサーバーに通信しないと入力間違いを指摘できないことや,サーバーに通信する際に待ち時間が生まれてしまうことを問題視。利用者のストレスを減らすことで脱落率を低減できると考え,Flashベースのショッピング・カートを採用した。

 構築したショッピング・カートには,利用者の入力を支援する様々な機能を実装した。例えば,送付先の指名を入力する項目ではIME(Input Method Editor)を自動的にONにしたり,フリガナを入力する項目では全角カタカナ入力にIMEの設定を切り替えたりする。全角で入力すべき項目に半角で入力された場合は,入力内容を確定する段階で自動的にアプリケーションが入力内容を全角に置き換える。また,入力内容に間違いがある場合は,入力内容をサーバーに送信する前に利用者に通知する。その際,間違いのある入力項目は背景を赤で表示するなど,視認性を高めている。

 また,各入力項目ごとに脱落率を測定する機能を搭載することで,利用者がどの項目の入力に逡巡したか,どの項目で脱落したかを解析し,今後のサイトの見直しに役立てる計画だ。

【訂正】
 タイトルと1段落目に含まれていた「日本初」を取りました。丸善など,ショッピング・カートをFlashで実装しているサイトが確認できたためです。お詫びして訂正します。[2006/05/01 17:21]