写真 NTTドコモの中村維夫社長
写真 NTTドコモの中村維夫社長
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 NTTドコモは4月28日,2005年度(2005年4月1日から2006年3月31日まで)の連結決算を発表した。連結の売上高は対前年度比で1.6%減の4兆7659億円。営業利益は同6.2%増の8326億円だったが,純利益は同18.3%減の6105億円となった。携帯電話市場が飽和状態を迎え,料金改定の影響などもあって減収傾向が続いている。しかし端末販売数の減少に伴って代理店手数料などを抑えられたことや,携帯電話の解約率を低いまま維持したことで,営業利益増につなげた。

 決算説明会の席上で中村維夫社長(写真)は,2006年中に開始予定のHSDPAのサービス概要を初めて明らかにした。「開始時期は2006年夏。契約体系はFOMAと同じ」(中村社長)とした。HSDPA向けに新しい契約プランを用意するのではなく,HSDPA対応端末を購入すれば,既存のFOMAの契約プランのまま,下り速度がFOMAの約10倍のサービスを受けられる。HSDPA対応エリアは東京23区を皮切りに,2006年度末までに人口カバー率約70%を達成する計画という。

 最近新たに出した端末の中では,子供向けの携帯電話である「キッズケータイ」やワンセグ対応端末が好調である点をアピール。「ワンセグ対応のP901iTVは,4月末の段階で6万4000台出荷しており,これは予想以上の結果。キッズケータイも2カ月で約12万台を出荷し,その9割が新規契約。新しい需要の掘り起こしもできている」(中村社長)と評価した。

 また2005年秋に開始したプッシュ型情報配信サービス「iチャネル」が,順調に契約者数を伸ばしている点も強調。「iチャネルの契約者数は7カ月で200万契約を突破した。1ユーザー当たり平均で月額400円の利用があり,収入は全体で数百億円規模になる」(中村社長)。新たな収入源として,ドコモが力を入れるクレジットカード事業に加え,iチャネルのようなサービスも一つの解であることをアピールした。