写真1 総務大臣室に向かうボーダフォンの孫正義社長(左はじ)や宮川潤一専務執行役(右はじ)など
写真1 総務大臣室に向かうボーダフォンの孫正義社長(左はじ)や宮川潤一専務執行役(右はじ)など
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写真2 記者陣の質問に答える孫社長
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 「責任の重さを感じるが,がんばる。やるからにはとことんやります」--。ボーダフォンの社長に就任したばかりの孫正義氏は4月28日夕方,竹中平蔵総務大臣を訪問。ボーダフォンの社長就任を自ら報告した(写真1)。

 竹中大臣への報告後,集まった報道陣に今後のサービス展開と決意を述べた。「自らボーダフォン社長に就任したのは,私の本気度の表れ」(孫社長)。主な一問一答は以下の通り。

--ボーダフォン社長に就任した決意を聞きたい。

 現在1500万のユーザーがいるが,より安心して使ってもらえるように,もっといいサービスを続々と提供したい。
 エキサイティングなサービスを用意していくので,まだボーダフォンを使っていない携帯電話ユーザーも,期待していてほしい。本格的なサービス展開は秋くらいからになる。

--竹中大臣とはどういう話をしたのか。

 私からは「がんばります」という意気込みを大臣に伝えた。大臣からは,「期待している国民の方が多いと思うので,新しい事業をしっかりがんばってください」と言われた。

--シェアの目標は。

 何%のシェアを目指すと言うのは時期尚早だ。ただ5~10年くらいの長期で見れば,相当な存在になれると思う。そのくらいの意気込みでがんばりたい。やるからには,とことんやる。

--1.7GHz帯の周波数を返納すると今日発表した(関連記事)。

 意気込みを伝えるのと併せて,竹中大臣に報告したところだ。1.7GHz帯は,新規参入事業者向けということで申請した。
 少なくとも今は,ボーダフォンという既存事業者を買収して携帯電話事業に参入できたので,2重に周波数を持っている必要性はなくなった。自ら気持ちよく返納しようと決めた。
 ただ800MHz帯という,より携帯電話に適した周波数はNTTドコモとKDDIに与えられているが,ボーダフォンは持っていない。これについては継続して,「800MHzがほしい」ということを伝えていく。

--心の中では,新ブランド名が決まっているのでは。

 連休明けのソフトバンクの取締役会で,最終的に決めようと準備しているところだ。
 ただ,決算発表のタイミングで公表できるかどうか,まだ検討が必要。少なくとも今秋には新ブランドに切り替えるので,それに先立って,いつごろどういう形で発表するのか考える。

--携帯端末の試作機はもうできているのか。

 いろいろと今,作っているところだ。少なくとも何カ月か準備に時間がかかる。面白い機能を仕込んでいる。

--1500万という既存ユーザーが逆に足かせになり,大胆な戦略が取れない可能性もある。

 そんなことはない。少なくとも1500万ユーザーで満足するわけにはいかない。もっと増やすために,積極的な案をいくつも考える。